黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書) の感想

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タイトル黒田官兵衛 作られた軍師像 (講談社現代新書)
発売日販売日未定
製作者渡邊 大門
販売元講談社
JANコード9784062882255
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

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戦国武将として有名な黒田官兵衛についての本。複数の一次資料を突き合わせて、広く信じられている官兵衛像の定説がどこまで信憑性があるものなのかを丁寧に検証している点に特徴がある。息子の黒田長政についても多くのページを割いている。

黒田氏の出自、中興の曾である高政以降の家系、若き日の官兵衛、複雑な播磨の国情、3人の弟と3人の妹、小寺政職と官兵衛、秀吉の高い評価と信頼、上月城の戦いでの信長からの感状、荒木村重の説得失敗と拘留、竹中半兵衛との関係、秀吉の天下統一の中での活躍、キリスト教、長政への役割交代、朝鮮出兵、関が原の戦いでの長政の工作活動、清正と連携した九州での官兵衛の戦いと薩摩侵攻の中止、52万石への加増と福岡藩の成立、官兵衛の死後も受け継がれた精神。官兵衛の人生をたどりながら、その実像と戦国時代において果たした役割がリアルに感じられるようになっている。

著者は、「軍師」という言葉とイメージが一人歩きしている点について、特に注意を喚起している。非凡な武将であることは確実だが、実際は智略家といった方が正しいという。実際、使者として多くの役割をこなしているし、関が原では秀吉に近い有力大名達が東軍についたり寝返ったことに対する黒田家の役割はかなり大きかったことがわかる。家康が大喜びしたのも理解できる。それから、貝原益軒がまとめた「黒田家譜」の正誤や、官兵衛が西軍に寝返った場合を仮定しているところを含む黒田長政の遺書を読み解いているところも印象に残った。

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