マンションは日本人を幸せにするか (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトルマンションは日本人を幸せにするか (集英社新書)
発売日2017-04-14
製作者榊 淳司
販売元集英社
JANコード9784087208771
カテゴリビジネス・経済 » 産業研究 » 不動産 » 一般

購入者の感想

マンションを買う時は「管理を買え」と言われている。管理組合がどれだけしっかりと機能しているかどうかで、マンションというコンクリートの箱の寿命は数十年単位で変化するし、当然のことながら資産価値にも影響が出てくる。このことを著者の榊さんは過去に何度も強調してきた。例えば、本書では触れていないが、広尾ガーデンヒルズを榊さんは別の著書で称賛していた。広尾ガーデンヒルズに一度は足を運べという。きちんと管理されたマンションが築三十年経ってもなお、資産価値を高めている成功例がそこにあるからだ。

それにしても日本の不動産、わけてもマンションとは、本当に不思議な商品だ。同じコンクリートの箱なのに、月当たりの管理費が15万円近くするマンションがあるかと思えば、3万円程度のところもある。築10年のマンションで修繕積立金が7万円のところもあれば、2万円程度のところもある。その差がどうしてできているのか、誰も何も説明してくれない。そもそも不動産業界はエンドユーザーたる顧客本位に出来ていない。とりわけひどいのが新築マンションの販売で、消費者が一番知りたい価格をなかなか教えようとしない。その構造は本書に余すところなく書いてある。そして、連中は蔭では消費者を「買わせる」「はめ込む」「殺す」などと言っているらしい。何を勘違いしているんだと言いたい。その昔、不動産屋は千三つ屋と呼ばれた。昭和の初めごろまで世の中は圧倒的に不動産は買い手市場で、不動産屋は千軒案内して三件契約が取れればよい方と言われていたから、この名が付いた。要するに賎業だったわけだが、今は「不動産仲介業」などと偉そうにしている。それもこれも戦後人口増加と東京一極集中の時代が続いて不動産は圧倒的な売り手市場になったおかげなのだが、既に状況は変わり、日本は人口減少時代に突入。総人口と総世帯数が同時に減少し、不動産は売り手市場から買い手市場に変わっている。それでもマンション業者というのは毎年新築マンションを作り続け売り続けないと死んでしまう業態だから、既に家余りになっているご時世に新築を建設し続けなければいけない運命にある。これが早晩行き詰るのは火を見るより明らかであろう。

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