この国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書) の感想

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タイトルこの国の息苦しさの正体 感情支配社会を生き抜く (朝日新書)
発売日2017-07-13
製作者和田秀樹
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022737243
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

 第一章から第三章まで現状の社会が感情によって支配されていること、それが何故なのかを含めて多くの事例が挙げられ、第四章で、認知療法、森田療法など、感情的になることに対する対処法が述べられている。
 ご自身の専門分野以外の一般論的な話も多くありますがそれも含めて参考になります。

筆者は『はじめに』で、おおむね次にように語っている。日本人は、ひたすら場の空気を読み、タテ関係の序列を乱すことをおそれ、逸脱した者を叩く傾向はひどくなる一方のように見える。「和」の精神すら、ややもすると、「普通であることの強要」とされかねない。そんな同調圧力がこの国を覆っている。それは、日本人がきわめて感情的になっていることが原因というのが、精神科医である筆者の仮説であり、人間の言動にもっとも大きな影響を与えるのは、おそらくは不安感情であり、感情に支配されて、他の可能性が考えられなくなっている人には、他の可能性に言及するだけで、その人が自分に逆らっていると思えてしまうという息苦しい社会になってしまっている。 

筆者はまず第1章で、日本人が感情に支配されてしまっているという様々な具体例を挙げている。その中で、政治についても三点具体例を挙げており、たとえば、日本の選挙では「風」が最重視されるが、この「風」というのは、まさに感情以外のなにものでもなく、これほど感情的な選挙を行っている国は、おそらく世界中どこを探しても日本以外にないとしている。そうした具体例を挙げた後、日本では人間を感情的にする要素が徐々に揃いつつあるとし、その三つの要素と、物事を感情で判断する人に特徴的な二つのパターンについて解説している。 

第2章では、「~すべき」といった「べき思考」を始めとした感情に支配された状態の人が陥りやすい罠について述べており、親の介護、心身の健康問題、仕事での失敗といった身近な問題から、原発事故、飲酒運転や高齢者の運転の取り締まり、AIの人間支配といった社会問題までを取り上げているが、特に社会問題についての筆者のユニークな問題提起については、賛否両論あるような気もする。

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