地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫) の感想

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参照データ

タイトル地獄変・邪宗門・好色・薮の中 他七篇 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者芥川 龍之介
販売元岩波書店
JANコード9784003107027
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

 芥川の王朝物。いくつかは『今昔物語』からとっているらしい。

 『鼻』や『芋粥』は非常に完成度の高い作品だと私は考えているのだが、ここに納められている作品はそれらに比べて全体的にやや完成度が下がっているように感じた。(なお、ここにおさめられている作品は『鼻』や『芋粥』よりも後につくられた作品であることを付記しておく)完成度の高い作品もあるにはあるのだが、つまらない作品もある。完成度が『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』がおさめられている文庫に比べ下がると思った最大の理由はもっとも分量の多い『邪宗門』がいまいちであることだろう。そう思うのはそもそも完成度も何も、完結していないため、やはり評価を下すことは難しい。『道祖問答』『往生絵巻』は面白い面白くない以前に、内容が良くわからない。
 面白いと思った作品は『竜』『好色』『藪の中』。『竜』は他愛もないと言えば他愛もないが、読んでいてどこか楽しいものがあった。『好色』は他の短編ではなかなかみられない展開が広げられる。『藪の中』は芥川の作品でもっとも論文が書かれている作品、とのことだが、まあ読んでみれば至極当然だと思うであろう。結局真相は何なのか、真相は殺害された男の言葉なのか、なぜ皆言っていることが違うのか、そもそも作者は単に読み手をおちょくっているだけで深く考えていないのか、まあいくらでも考察できる作品ではある。

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