人間・国家・戦争: 国際政治の3つのイメージ の感想
参照データ
タイトル | 人間・国家・戦争: 国際政治の3つのイメージ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ケネス ウォルツ |
販売元 | 勁草書房 |
JANコード | 9784326302185 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
ウォルツの『人間・国家・国際政治の3つのイメージ』は、国際政治学研究の必須文献。原文を苦労して読み込むか、途中で諦めるか・・・一部、最低限必要なところのみ・・・。この翻訳書出版のおかげで、日本の国際政治学研究は、さらに、世界レベルに近づくことになる。
言わずと知れた国際関係論の現代の古典。
同著者の国際政治の理論 (ポリティカル・サイエンス・クラシックス 3)も有名だが、あちらは社会科学方法論の議論が結構な量を占めているのに対し、こちらは「なぜ戦争は起きるのか」という問題を正面から論じていて、より国際関係論に近い。
「国際関係論の」現代の古典としてどちらか一冊の本を選ぶなら、むしろ本書の方がふさわしいぐらいかもしれない。
本書で分析されるのは、戦争の原因に関する三つの見方
第1イメージ:指導者の人間性に戦争の原因を見るもの
第2イメージ:国家の構造(民主的か、社会主義か、等)に戦争の原因を見るもの
第3イメージ:国際社会の構造(アナーキー)に戦争の原因を見るもの
を、過去の膨大な思想家をそれぞれのイメージに割り振りながら論じていく。
楽観的(戦争はなくせる)か悲観的(戦争は不可避だ)かは違っても、戦争原因の見方は同一という思想家は多々いる。
よく取り上げられるのは、第1イメージがスピノザ、第2イメージがカント、第3イメージがルソーである。
ウォルツは第3イメージの重要性と、権威なきアナーキーな国際社会においては勢力均衡が重要という立場をとってはいるが、しかしきちんと読むと第1イメージや第2イメージを全く無視していいと言っているわけではない。
本書の締めくくりは以下のようになされている。
「第3イメージは、国際政治の枠組を説明するが、第1および第2イメージなしには、政策を決定する影響力についての知識はありえない。また、第1および第2イメージは国際政治における影響力を説明するが、第3イメージなしには、その結果の重要性を測ったり予測することは出来ない」(p217)
同著者の国際政治の理論 (ポリティカル・サイエンス・クラシックス 3)も有名だが、あちらは社会科学方法論の議論が結構な量を占めているのに対し、こちらは「なぜ戦争は起きるのか」という問題を正面から論じていて、より国際関係論に近い。
「国際関係論の」現代の古典としてどちらか一冊の本を選ぶなら、むしろ本書の方がふさわしいぐらいかもしれない。
本書で分析されるのは、戦争の原因に関する三つの見方
第1イメージ:指導者の人間性に戦争の原因を見るもの
第2イメージ:国家の構造(民主的か、社会主義か、等)に戦争の原因を見るもの
第3イメージ:国際社会の構造(アナーキー)に戦争の原因を見るもの
を、過去の膨大な思想家をそれぞれのイメージに割り振りながら論じていく。
楽観的(戦争はなくせる)か悲観的(戦争は不可避だ)かは違っても、戦争原因の見方は同一という思想家は多々いる。
よく取り上げられるのは、第1イメージがスピノザ、第2イメージがカント、第3イメージがルソーである。
ウォルツは第3イメージの重要性と、権威なきアナーキーな国際社会においては勢力均衡が重要という立場をとってはいるが、しかしきちんと読むと第1イメージや第2イメージを全く無視していいと言っているわけではない。
本書の締めくくりは以下のようになされている。
「第3イメージは、国際政治の枠組を説明するが、第1および第2イメージなしには、政策を決定する影響力についての知識はありえない。また、第1および第2イメージは国際政治における影響力を説明するが、第3イメージなしには、その結果の重要性を測ったり予測することは出来ない」(p217)