魔法科高校の劣等生(22) 動乱の序章編〈下〉 (電撃文庫) の感想

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参照データ

タイトル魔法科高校の劣等生(22) 動乱の序章編〈下〉 (電撃文庫)
発売日2017-06-09
製作者佐島 勤
販売元KADOKAWA
JANコード9784048929493
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

今回はちょっとつまらなかったんです。
新しいキャラクターの部分が多すぎる、
次回の孤立編で達也と深雪がどうやって立ち向かうか、楽しみです。

達也だけが筋を通して生きる中で、他の登場人物の変節が著しいです。エリカはドンキホーテのように「運命」に抗い、深雪は「達也様」を敬愛する婚約者となり、光宣は魔法師の行末を嘆く「ニヒリスト」になり、真由美は単なる世話焼きお姉さんになり、ピクシーはただのメイドロボになり。そして何よりも、克人が卑劣な奸計を黙認したことに幻滅しました。魔法科高校の面々は、はやる感情に身を委ねて茶番を演じ、七草家は十山家に情報部のお株を奪われて、空気を読めない、どうしようもない集団になり、独立魔装大隊は一文字も出てこず。USNA軍は遠山つかさという女狐に弄ばれる始末。

確かに遠山つかさは強敵なのかもしれませんが、視野が狭く、自分勝手で、保身に徹するところなどむしずが走ります。最後の言葉も、克人をその気にさせるための甘言、という面もあったのでは、と疑ってしまいます。次巻では世界に「彼」の正体が暴露されるということですが…恒星炉の前にそのような計画を持ち上げてもなあと。達也は深雪のためだけに生きているのですから、文字通り世界を敵に回しても曲げないのでは。

周りが冷静な判断ができない中で、彼だけが筋を通すのは、読んでいてつらいです。そして、随所で「意味深長」感を押し出してくるのはくどいです。8月発売の次巻では、クラーク一家やリーナの情報が出てくるのかもしれませんが、おそらく後味の悪さが残ると思います (孤立偏ですから)。達也をいたぶり続け、破滅に至るのか、彼と世界との「和解」を導きたいのか、現実の世界情勢を皮肉りたいのか。はたまた「最悪」の魔法師の戦闘を描きたいだけなのか。もう少し作品の方向性が明確になればよいなと思います。

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