経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)
発売日販売日未定
製作者猪木 武徳
販売元中央公論新社
JANコード9784121021854
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学

購入者の感想

 この手のタイトルの本は、タイトルの課題にはっきりと答えていないのが多い。本書も例外ではなく、「経済学に何ができるか」という問に対する解答として、本書が与えている答えは甚だ不満だ。歯痒い。知性が大事、そうだ、知性が大事ってあのF.ナイトも言っている。で、著者はこれを解答にしたいようだが・・・・・。

 まあ、それはいい。そんなことより、この本は、現代経済の重要な問題を解くにあたり、古典にその解答の糸口を見出そうとするなかなか興味深いものだ。

 重要な経済問題とは、税と国債、中央銀行の責任、インフレの不安、不確実性と投資、貧困問題と失業、所得格差、消費の外部性、経済的厚生と幸福感といった大きな問題から、最近のきわめて現実的な問題、TPP参加とユーロ危機。

 それぞれの問題の歴史的背景を探りつつ、古典を引用する。その際よく利用されるのがアダム・スミスの「道徳感情論」、ヒュームの「人性論」、バジェットの「ロンバード街」、アリストテレスの「ニコマコス倫理学」、ナイトの諸論文等々といった超有名な古典的名著の数々。これらの名著の骨子が要領よくまとめられているので、索引ともども上手く利用すれば、レファレンス・ブックとしても利用できる。

 朝日と日経に連載されていたものをまとめたものなので、著者のこの新書の前著「戦後世界経済史」のような圧倒的なボリューム感には乏しいが、各章を一読後、読者が自らいろいろと考えてしまう、そんな好読み物である。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)

アマゾンで購入する
中央公論新社から発売された猪木 武徳の経済学に何ができるか - 文明社会の制度的枠組み (中公新書)(JAN:9784121021854)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.