MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣 の感想

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会社に属しているいる以上、決算書は大事というのは分かってはいるが、知らない単語ばかりが並び、どこの数字をどう判断すれば良いのか分からない。
仕事は教えてくれるが、決算書の読み方は誰も教えてくれない。それ故、戦略的に無知となり、双方（従業員と会社）にとってデメリットになる。

本書では、そんな誰も教えてくれない決算書の読み方を業種毎に分け、簡単な数式と図、そして注目ポイントを分かりやすくまとめ、紹介している。
具体的には
・その会社は何をして売上を立てているのか
（例）売上＝流通額 x 手数料

・売上を最大化するための要因は何か
（手数料は変更できないので、流通額を最大化する施策を取る）

・同業他社と比較し伸びしろの把握
（比較には国外、特にアメリカが役立つ）

また、利益に影響を与えるのれん代についても説明が分かりやすかった。
巨額の設備投資や企業買収を行った際にかかる費用は、利益からマイナスする必要がある。
日本基準だと、のれん代を分割して、毎年定額ずつ利益からマイナスする。
一方で、国際基準だと、減損テストで失敗と判断しない限り、利益からマイナスしなくていい。
日本基準のメリットは、本業が安定している限り、問題が表面化することはないが、金食い虫の新規事業は利益が赤字になる可能性があるので買収しづらい。
国際基準のメリットは、減算テスト次第で利益に影響出ないため新規事業を買収しやすい。一方で、テスト失敗となると巨額の赤字を計上することになる。

本書は読むことが終わりでなく、習慣を身につけることがゴールである。その最初の一歩を踏み出す手助けとして最適だと感じると共に、社会人としての教養本であるとも思った。

決算を読むというよりも、ビジネスモデルを解説した良書。BS•PL•CFを理解できている人からすると、その会社の強みの源泉を具体的事例で捉えることができます。ITやFintechなど時勢を押さえているのでその点でも大変勉強になる。
題名では、とっつきやすくしているが読み手を選ぶと思います。

株式投資をしています。決算書を読むのは大事だなと思い、今まで決算書の読み方についての本を何冊か読んできましたが、正直面倒くさいので四半期ごとに発表される決算は、売上とか純利益などの大まかな数字をチェックするだけでした。しかし、この本はECビジネスやFinTech、広告ビジネスなどのIT企業を中心に事業内容とその利益が伸びるポイントを分かりやすく紹介してくれていますので、決算書もこうやって見れば今後の成長度合いが図れるなと、今更ながら目から鱗が落ちる思いでした。特にFacebookはまだまだ利益成長できる余地があることが、この本を読むことで理解できました。今は自分の人生のリスクヘッジのために主に米国株に投資していますが、米国のいつくかのハイテク株についての決算のポイントが解説されてます。今はちょうど第二四半期の決算発表の時期で、一生懸命辞書を引きながら外国企業の決算資料についても頑張って読んでいます。

詳細な会計的分析を期待していたので、合わなかった。取り上げられている業種自体に興味があるかどうかなので、タイトルに誘導されないで目次を一度チェックされたい。本書を読んでも決算書は読めるようにはならないが、著者が特定の決算書をどう読んだか、その背景となる業界知識を仕入れることができるだろう。

決算書の読み方というと、例えばROAとかROEから分解してみていくとか、流動比率を見ると短期的な支払い能力がみれるとか、、必ずと言っていいほど出てきます。
もちろん大事な視点なんですが、そういうのから始めるからみんな決算書を見ても大した情報が得られないし、活かせずに終わってくんだろうなと昔から思っていました。

この本ではそういう話しはほとんど出てきません。
それよりもビジネスの構造を理解するうえで、こういう数値を見る必要があるよねというのをEC業界、Fintechといった今流行りの業界を中心に説明してくれています。
例えばEC業界だったら取扱高に対して、いくらの売上になるかのテイクレートがアメリカと日本と中国でどうなっていて、楽天とヤフーの数字がこうなっていて、それはこういう戦略だからだみたいな話しが載っています。

動きの早い業界だから、これからこれらの業界の動きを追っていく上でのベースになるし、
他の業種を見ていくうえでも、”各ビジネスの主要な数字は暗記する”とか決算書を読んで活かせるようになるうえでとても重要な点が書かれているとてもいい本でした。