ONE PIECE 86 (ジャンプコミックス) の感想

とうとうアニメよりストーリーが遅れた。カラーで購入したことを後悔している。コミックスはともかく高値の分、モノクロより先行しても良いだろうというのが正直なところ。せめて地上波よりは先に進んで欲しい。

ワンピース連載初期からのファンで、ずっと単行本は買い続けていたのですが、
正直最近のワンピースには、昔あったワクワク感というのが薄れていた感覚がありました。

しかし86巻、イイですね。
キャラを無駄にしていない。
サラッと大ごとをやってのけるブルックは、さすが年齢を重ねた経験値が窺える落ち着き様。
強敵カタクリは、暗殺計画の緊迫感を増すのにかなりの存在感を演出している。
ギャングベッジ。この86巻で彼のファンになった人も多いハズ。頭のキレる実力者は頼れる。
回想に昔からのファンを唸らせる、オイモ・カーシー、ジョンジャイアントにドリー・ブロギーの名。幼少期の戦士ハイルディン。
コアなファンにはたまらない演出。
新聞社社長や裏稼業の大物たちも、なんだか昔の良かった時代のワンピースっぽいワクワクがありました。
86巻を5回ほど読み返してみましたが、これコマ割りもなかなか凄い。
特にカタクリの戦闘描写。連載20周年を迎え益々磨きがかかってるように感じられました。
いや〜、面白い！久々にワンピースでワクワクしました。

サラッとワンピースの謎の一部分を描いてる。
かつて、黒ひげ(ティーチ)が白ひげから地震の悪魔の実を自分のものにした謎。
直接的な描写はないけどリンリンは…食べちゃった？
適材適所というか、シーザーは今の皆と一緒にいる方が教育的指導されてて良いと思う。
心臓返してもらって解放されたらシーザーはどこに行くのか彼の同行が気になる。
なんだかんだで、国民的悪役のベテラン声優だから憎めない存在。

　四皇ビッグ・マム編も佳境？なのかな！？（笑）
やはり四皇となるとスケールや化け物じみた強さは桁違いで、直近のラスボスだったドフラミンゴが霞むほど。
敵味方問わず、主要キャラには必ずある過去のエピソードにしてもビッグ・マムに関してはなかなかくるものがある。
くるというのはこれまた多くのキャラにあった『泣ける』といったエピではなくゾッとするといった部分が大きくて衝撃。
決着が着くのかどうかは作者のみぞ知るといったところだが、ドキドキ感もこれまたドレスローザ編を遥かに上回っている。

ネタバレ注意

【海俠らしいジンベエ】
元々義理堅い性格でしたが、今回も健全。
四皇ビッグマムにも怯まず、同胞の為に働こうとします。
戦闘での活躍はまだ先になりそうですが。

【サンジの懐深さ】
前巻で強烈などんでん返しがありましたが、今回はもう一発どんでん返しを喰らいます。
他の子どもどころか、親にすら気味が悪いと言われていたプリン。本人も、深いコンプレックスを抱えていた様子です。
そんな三つ目のプリンに対して、初めて目を美しいと言う漢が我等のサンジです。
プリン側も、言われるまでは、サンジを利用するコマとしか見ていませんでしたが、言われてからはまんざらでもなくなったみたいですね。

女の子がコンプレックスに感じている部分を、無条件に受け入れてくれる男性に出会うと、
感動的な場面ですが、一方でサンジプリンなので、ジンベエ絡みに比べて何故か笑えるシーンにも見えました。

【ルフィの活躍】
アーロン戦の秘策はギャグでしたが、今回のルフィ提案作戦はちゃんと役に立ちました。
前からですが、能力の応用では結構頭が回りますね。
おおよそイケメンではありませんが（何故か読切の方が美少年）、人気を集めているのはこういう所と、仲間を大事にする所でしょうか。

【プリン以外のビッグマム一味は】
ファミリーでも、ドンキホーテファミリーに比べると、キャラが弱く感じました。
ビッグマム個人の過去話も、ドフラミンゴのコンプレックスや屈折した家族愛・人民愛に比べると、
単に生まれつき強い奴が我儘放題してるだけと言った雰囲気。
馬鹿力もってる奴に責任や忍耐を教えないとこうなるという話にはなってますが。

部下も、セニョールやベビー5程設定凝ってる奴がいないのが残念でした。
カタクリとか、デザイン的に格好良い奴はいますが。
まあ、プリン絡みやジンベエ絡みが面白いので、それで十分楽しめる巻ではありますが。