二百三高地 [DVD] の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル二百三高地 [DVD]
発売日2014-07-11
監督舛田利雄
出演仲代達矢
販売元TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
JANコード4988101160198
カテゴリDVD » ジャンル別 » 日本映画 » ドラマ

購入者の感想

この映画が好きで、セリフを覚えるくらい観ています。

エリートで人格的にも素晴らしい主人公、召集された市井の人々(豆腐屋さんやヤクザ、幇間等様々な)、戦争を遂行する軍の司令官(大山さん、児玉さん,乃木さん)、日本国の運命を託された伊藤博文総理大臣と明治大帝。
 それぞれの立場は違いますが、日本国民総員で遂行する大事業です、国力も兵力も比べ物にならないロシアとの戦争、負ければ日本国そのものが消滅する可能性もあります。

 主人公の古賀少尉、ロシア文学を愛する理性的な人物が、最後は「ロシア人は全員敵であります」と変貌してゆく戦争の狂気・・・・。
 ぼんやりしているようで、実は度胸が据わっている豆腐屋さん(ラストは二百三高知一番乗り)。
 おそらく日常では鼻つまみ者だったろうヤクザさんの大活躍。
 頼りないが、戦友思いのタイコ持ちさん。
 みんなキャラが立ってます。

 余談ですが、染め物職人の米川二等兵が、幼い子供達と別れるシーンは、何度見ても涙が出てきます、自分が一児の親になってからは特に・・・・。 

 物語のもう一つの軸である、乃木さんと児玉さんですが、指揮権委譲の交渉のシーンでは、日本映画史に特筆すべき演技が見られます。
 仲代達也氏と故・丹波哲郎氏・・・本物の「俳優」とはこういう人達のことを言うんでしょう。

 ラスト、明治大帝に復命の途中で泣き崩れる乃木さん・・・(これは史実だそうてず)
 太平洋戦争中は神様、戦後は某小説家の影響で無能の代名詞(最近は見直されてきていますが)と、評価の落差が激しい乃木さんですが、軍事的評価は関係なく、個人的にはとても魅力的です(乃木さんは代十代の学習院院長として昭和天皇の教育にあたった方でもあります)

 3時間と長い映画で、内容も重い映画ですが、特に若い人に一度は観て欲しい映画です。
 中学や高校でも近代史はスケジュールの関係で飛ばしたり、習ってもさらっとしか学ばなかったりするそうですから。
 きっと近代史に興味を持つきっかけになると思います。
 

すみません、作品評価は既に他の方々が、すばらしいレビューをされていますので、
「二百三高地」という映像作品が好きだ、という方には興味深く聞いて頂けるのではないか、
と思われる話を一点申し上げます。

本作品の中軸となる金沢第九師団第七連隊の「小賀小隊」は実在のモデルが居た事を
ご存知でしょうか?
脚本担当の名ライター笠原和夫氏は、かなり仔細に事実の発掘やインタビューを
積み重ねた上で、本作を書かれた模様です。

私は中学時代を金沢で過ごしたのですが、二百三高地劇場公開〜TV版本放送の
1980〜81年当時、通っていた中学校の、ある定年間近の男性教諭が、

「米川二等卒のモデルは、俺のお祖父さんだ。俺の親父はその息子だった。」
「親父も叔母(つまりは妹さん)も本当に苦労して育った、と聞いている」
「親父は亡くなったが、叔母(つまりは妹さん)は高齢だが、まだまだ元気だ」
と授業中に話してくれたのを覚えています。

米川二等卒は劇中、戦死されますが、残された二人のお子様はがんばって元気で
成人された事実。

その事を知った上で映画&TV版を見ると、悲しい(勿論感動はしましたが)物語の中でも、
僅かながら、救われる思いがします。

また当時の劇場販売用パンフレットを見ると、笠原氏の寄稿文が有り、日露戦争当時、
(後に連合軍最高司令官となる)マッカーサーが米陸軍少尉として金沢に居た。
映画製作時の70年代後半に、当時存命だったマッカーサー未亡人に確認を取り、この日露戦争以降、
マッカーサーは乃木に対し「軍人として最大級の敬意を抱くようになった」との証言を得たと語っています。

日露戦争を描いた映像作品では、この「二百三高地」、新東宝の「明治天皇と日露大戦争」
は非常に優れた作品であると思います。

本作を未見の方は、今回の廉価版発売を機会に、ぜひ一度、ご覧になってはいかがでしょうか?

■補足

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

二百三高地 [DVD]

アマゾンで購入する
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)から発売された仲代達矢が出演の舛田利雄の二百三高地 [DVD](JAN:4988101160198)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.