キング・クリムゾン (KAWADE夢ムック 文藝別冊) の感想
参照データ
タイトル | キング・クリムゾン (KAWADE夢ムック 文藝別冊) |
発売日 | 2015-07-28 |
販売元 | 河出書房新社 |
JANコード | 9784309978642 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
概説書としては充分ですが、いつもの面子がいつもの事を書いているといった印象。デビュー時の衝撃、太陽と戦慄以降のサウンドの変遷、アルバムごとに変わるメンバーの裏話等々・・。国内盤の解説書を読んでる分には目新しいものは特に無いといった感じは否めないです。
個人的にこのバンド・・というかプログレというジャンルは、基本的に黒人の音楽文化であるブルース、ジャズ、ロックを、白人の伝統的文化や感性で意識的に再構築しようというムーブメントだったと思います。だからこそブリティッシュのみならず、ユーロプログレにはワールドミュージックと区別がつかないものも多いし、日本のプログレがイマイチつまらないのもその辺にあるのでしょう。
例えば「アイランズ」、本書には「美しい」「評価低いけど意外と好き」等の主観的感想や、メンバー編成の裏話位しか記述が無い。他作品に増してギリシャ神話や、それを元ネタにした現代文学の奇書「ユリシーズ」などがテーマに取り上げられてるわけですが、そういったアプローチから作品を読み解く試みなんかがあったら良かったと思います。(「DIG」誌のジェネシス特集にはそういう視点があったと思う。)この辺、澁澤龍彦氏の著作を精力的に出版している同社ならではの視点を期待してたのですが・・残念でした。
あと、何故に「21世紀の精神異常者」が「21世紀のスキッツォイド・マン」になったか・・のような業界裏話的なものもあると面白かったかな。おそらく誰もが「?」と思う点でしょうから。
個人的にこのバンド・・というかプログレというジャンルは、基本的に黒人の音楽文化であるブルース、ジャズ、ロックを、白人の伝統的文化や感性で意識的に再構築しようというムーブメントだったと思います。だからこそブリティッシュのみならず、ユーロプログレにはワールドミュージックと区別がつかないものも多いし、日本のプログレがイマイチつまらないのもその辺にあるのでしょう。
例えば「アイランズ」、本書には「美しい」「評価低いけど意外と好き」等の主観的感想や、メンバー編成の裏話位しか記述が無い。他作品に増してギリシャ神話や、それを元ネタにした現代文学の奇書「ユリシーズ」などがテーマに取り上げられてるわけですが、そういったアプローチから作品を読み解く試みなんかがあったら良かったと思います。(「DIG」誌のジェネシス特集にはそういう視点があったと思う。)この辺、澁澤龍彦氏の著作を精力的に出版している同社ならではの視点を期待してたのですが・・残念でした。
あと、何故に「21世紀の精神異常者」が「21世紀のスキッツォイド・マン」になったか・・のような業界裏話的なものもあると面白かったかな。おそらく誰もが「?」と思う点でしょうから。