オペラの学校 の感想
参照データ
タイトル | オペラの学校 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ミヒャエル・ハンペ |
販売元 | 水曜社 |
JANコード | 9784880653631 |
カテゴリ | エンターテイメント » 音楽 » クラシック » オペラ・声楽 |
購入者の感想
オペラのいわゆる入門書を期待すると、肩すかしに合います。そうではなく、現役のオペラ演出家による、オペラ関係者に向けて発せられた警句のようなオペラ論です。何を言いたいのかわかりにくいところもありますが、一番言いたいことは、冒頭や末尾に書かれています。要するに、オペラには作品として守るべき構造や、それが要求する技術や規則があり、それにしたがって上演されねばならない。しかし、それだけではオペラにはならない。オペラにはファンタジーや「心の真実」、魂という目的、意味があり、その実現のために作品の構造、技術、規則、空間などを意識し、それとの緊張関係において、オペラを上演する必要があるということ。ドイツ人らしく、その関係は非常に弁証法的に捉えられています。一言で言えば、規則と規則違反の弁証法がオペラ発展の原動力で、規則をよく知った上で、必要ならそれを破り、伝統と新しさを綜合する必要を説いています。
ただ、著者はその主張をもう少しわかりやすく書けると思い、私はこの評価にしました。
ただ、著者はその主張をもう少しわかりやすく書けると思い、私はこの評価にしました。