危機を克服する教養 知の実戦講義「歴史とは何か」 の感想

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参照データ

タイトル危機を克服する教養 知の実戦講義「歴史とは何か」
発売日販売日未定
製作者佐藤 優
販売元KADOKAWA/角川書店
JANコード9784041021491
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

佐藤優は賢いです。著作をはっきり二つのタイプに分けて、自分の「価値」を巧みに高めているんです。ひとつは「世界の地政学や時事問題の分かりやすい解説書」で、主に新書や対談の形式をとります。もうひとつは「歴史や宗教の教養書」で、これは主に単行本として書き下ろされます。

この新刊『危機を克服する教養』は、後者の典型です。カルチャー教室での講演をまとめたものですが、このタイプでの佐藤は、読み手(聞き手)の理解など一切おかまいなしに、自分の「教養」のほとばしるままにどんどん進めて行ってしまうんです。典型的に語られるのは、佐藤の敬愛するチェコの神学者ヨセフ・ルクル・フロマートカ。そんな学者、誰が知っているというの?読者も聴衆も、なんとなく分かったような分からないような、煙に巻かれた状態で取り残されますが、「佐藤優って、なんだかすごい」という感覚だけは残ります。そこから中毒症状へと・・・。

こういう佐藤の心理ははかりかねますが、たぶん彼自身が教養人であることととは裏腹に、「実は自分がニセモノであることがバレるのじゃないか」という不安が、彼をそう駆り立てるのか?、あるいは、単純に「分かりやすい佐藤」と「分かりにくい佐藤」を提示し、巧みにその「佐藤優ブランド」に厚みをつけているのか?。いずれにしろ、その世界にはまって「佐藤優は本物と信じたいわたくし」は、彼のほぼ全ての著作を読まされ続けているのでした。

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KADOKAWA/角川書店から発売された佐藤 優の危機を克服する教養 知の実戦講義「歴史とは何か」(JAN:9784041021491)の感想と評価
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