Destiny's Child の感想

8歳で幼馴染4人がデスティニーズ・チャイルドを結成、若すぎたためになかなか契約出来ず、全員が16歳になってようやくレコード・デビューに漕ぎ着けたのがこの作品。アルバム自体は大きなセールスを記録していないので語られることもほとんどなく、ライブでも披露されるのは1曲のみ。
まだビヨンセが頭一つ出ている演出は余りされていないので、ごく普通のガールズグループ的なアルバム。それでもメインボーカルは今も残るオリジナルメンバーのビヨンセとケリーの二人が取っている。
アルバム製作陣もなかなか豪華で、今最も活躍しているプロデューサーのジャーメイン・デュプリが複数手がけている他、メインプロデューサーは元トニ・トニ・トニ（ラファエル・サディーク在籍）のメンバーや元フージーズ（ローリン・ヒル在籍）のワイクリフ・ジョンが手がけている。それでもまだ特徴が余りなかったので普通のアップテンポなR&Bや綺麗なミッドバラードではヒットせず、不圧に終わるとことだった。
しかし、デビューシングルNO,NO,NO,PART1をワイクリフ・ジョンがリミックスしたPARTⅡ（本作にも収録）が尖ったビートに強めな口調で歌いかけるデスチャのインパクトが伝わりみるみるうちにチャートを急上昇。最高位3位を記録し100万枚をセールスする特大ヒットのシングルとなった。これがデスティニーズ・チャイルドのカラーとなり、そのイメージを引き継いで僅かな期間でセカンドアルバムリリースへと漕ぎ着けるのである。それからの活躍はご存知の通り。今回は今のデスティニーズ・チャイルドに変わる前の別な顔と、今の原型を形作る面との貴重な葛藤が見え隠れする作品。