新装版 軍師二人 (講談社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 新装版 軍師二人 (講談社文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 司馬 遼太郎 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062753456 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
戦国時代を生きた武将にまつわる短編を8つ収録。表題作の「軍師二人」は、大阪夏の陣で活躍した二人の軍師、後藤又兵衛と真田幸村の葛藤とそれぞれの心理を浮き彫りにしている。またこの二人をうまく御することができずに、大阪方崩壊への決定的方針を作った大野治長やその取り巻きも詳しく描かれている。歴史の転換点を作った器量の差、施策の差をまざまざと見せられる。「雑賀の舟鉄砲」では、本願寺・別所・毛利の連合軍と、秀吉(信長)の攻防に居合わせた雑賀の鉄砲傭兵が主人公。当時の鉄砲傭兵がどのように雇われ、生計を立て、活躍していたのかが垣間見られて面白い。他にも、関ヶ原の戦直前に、家康の側室を大阪城から無事に連れ出す(地味な)役目を与えられた佐野綱正の苦悩と忍耐、最期を描いた短編も興味深く読んだ。