昆布と日本人 (日経プレミアシリーズ) の感想

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タイトル昆布と日本人 (日経プレミアシリーズ)
発売日販売日未定
製作者奥井 隆
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532261771
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購入者の感想

題を見て、「昆布ごときが大きく出たな」と思ってはいけない。昆布こそが日本食の原点と言っても過言ではない。お隣の中国の初期王朝である『周』の時代に倭人が鬯艸(暢草)を献じたとの記事が『論衡』にある。この鬯艸は昆布であるとの説があることをご存じだろうか。その他にも、古いお祭りと言えば、和布刈(めかり)神事の存在も気になる(ワカメと昆布を一緒くたにしているかもしれないが・・・)。昆布という姓が昔から大峰山を擁する聖地である吉野ではあるという。日本古代史にも関係がありそうだ。近世では薩摩藩による琉球経由中国への昆布の密貿易があった。表の世界では北前船による下り物、上り物・・・北風が吹くと船頭たちは故郷へ帰れると喜び合ったに違いない。さらに帰港すれば莫大な利益が確定し、多大な分け前にあずかれるのである。司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』で有名な北風家が船乗りからありがたがれたのも、本当の北風に対する『神風』的切望の念が大いに関係していそうである。
作家山崎豊子の実家で、大阪で有名な昆布屋の銘柄に『えびすめ』があるが、本書によれば平安時代初期以前からあった言葉と知り、驚いた。
また、昆布はワインに似ているとの著者の言葉にハッとした。確かに、共に食の歴史・文化・経済の中心になる、ヴィンテージがある、熟成を要する品物であり、是非話飲・和(倭?)飲・輪飲・王飲をモットーとする東京ドイツワイン協会で講演をして頂きたい。

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