ローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトルローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)
発売日販売日未定
製作者塩野 七生
販売元新潮社
JANコード9784101181738
カテゴリ歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般

購入者の感想

「暴君ネロ」の死後、皇帝が入れ替わり立ち代り就任しややこしい『危機と克服』の巻。
『危機と克服』文庫最終巻となるこの本では、ティトゥス、ドミティアヌス、ネルヴァの3名の皇帝が登場する。
善政を敷き始め順調かに見えたティトゥスが不運にも若死にし、弟ドミティアヌスが引き継ぎ、老年のネルヴァもあえなく普通に死去。この巻でも皇帝は目まぐるしく入れ替わる。
本書のハイライトは有名なポンペイの大噴火。遺跡のお陰で今ではものすごく有名だが、当時は今思うほどの大事件ではなかったとしつつ、
当時の書簡を用いてリアルな描写がなされている。この災害や、またも起こったローマ大火などの処理に追われているうちに
亡くなったティトゥスは不運としか言いようがない。思いがけず早くに帝位にのぼってしまったドミティアヌスは、
とりわけ軍務経験の不足から来る失敗も重ねながら、帝国の防衛線を堅固にし、公共事業も熱心に行っていく。
死後「記録抹殺刑」に処されたというドミティアヌスだが、なぜそこまで嫌われたのかが、あまり伝わってこなかった。
帝国の人々よりも家族など身近な人に恨まれた感はあるものの、それは元老院による記録抹殺刑決議にはつながらない。
『危機と克服』最終章というわけで、年表と文献表が付されている。また、巻末にスペイン属州から上京した詩人マルティアリスの小話が盛り込まれ、これはおもしろい。

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新潮社から発売された塩野 七生のローマ人の物語〈23〉危機と克服〈下〉 (新潮文庫)(JAN:9784101181738)の感想と評価
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