風流ここに至れり の感想

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参照データ

タイトル風流ここに至れり
発売日販売日未定
製作者玄侑宗久
販売元幻戯書房
JANコード9784864880619
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » か行の著者

購入者の感想

僧侶で芥川賞作家である玄侑宗久のエッセイ集である。
内容も書かれた時期も多岐にわたる単発のエッセイが、丹念にまとめて並べられており、質量ともに充実して読み応え十分であるが、これは編集の力が大きいと思う。

風流というと、なにか花鳥風月などのようなイメージを抱いてしまうが、実はゆらぐこと。
「動揺もふくめ、心がゆらぐような感動」だと著者は言う。

「ブレない」という言葉がもてはやされるが、本当にブレないためにはゆらぎこそが必要なのだ。あまりに固い心ではすぐに折れてしまうだろう。しかしゆらぐためには根がしっかりしていなければ流されてしまうだろう。
ゆらぎつつ重心を取り直せと著者は語る。福島在住の著者が東日本大震災という未曽有の経験にどう向き合ったのか。そのしなやかなゆらぎに、著者が僧侶であり作家であるということにあらためて感じ入った。

それにしても、玄侑宗久の文章は美しい。桜、震災、文学、そして禅……どれをとっても繊細であり大胆であり、またユーモアあり。

装丁も大変美しい本である。表紙の写真は、風景画のように見えるが天然の石だそうだ。

長く愛蔵したいと思う本に巡り合えたのは、まことに風流である。

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幻戯書房から発売された玄侑宗久の風流ここに至れり(JAN:9784864880619)の感想と評価
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