原発大国フランスからの警告 (ワニブックスPLUS新書) の感想

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参照データ

タイトル原発大国フランスからの警告 (ワニブックスPLUS新書)
発売日販売日未定
製作者山口 昌子
販売元ワニブックス
JANコード9784847060519
カテゴリ » ジャンル別 » 社会・政治 » 環境・エコロジー

購入者の感想

 タイトルからすると、如何に原発が有用であるか、が切々と書かれているかのようである。
 しかし、単純にそうではない、と言っておかねばならない。
 フランスにとって原発は自国の独立と独立心に関わる事であり、イタリアやドイツ、スイスのように全廃宣言すれば済むものではない。オランド大統領の選出により縮小が模索されているにしても原発はいまだに有用であり続けており、事故ゼロが想定されるものではなくそれは前提のものである。甲状腺がんが七%も上昇していてもだ。
 逆に言えば、これだけ日本にとって対照的な事はない。ドイツとフランスも極端に対照的であるが、日本とフランス程ではないかもしれない。フランスは独立のために原発と核兵器を必要としている。日本は日米同盟のために原発だけが必要なのであるから。原発に費用がかかる事は、「運転停止や閉鎖にも莫大な費用を要する」とはっきりと明言されている。「にも」である。それでも、フランスは原発を手放さないし、同時に米国もそうであろう限りは日本もそうだ、と言わねばならないかもしれない。
 もう一つの理由は、原子核にかかわる高度な技術の応用を絶やしたくはないという事も含まれているかもしれない。これは考え方次第では基礎研究に非常に限定した形であるべきであって、ここまで普及させるべきものではない、と直接反論することもできよう。
 本書からでさえ、費用でも有用性でも原発は全く見合わない事が明らかになりつつある事が理解できる。問題は「世界が最も知りたいこと、つまり、日本が「脱原発」と「原発維持」のどちらを選択するのか」である。今目先の再稼働をどうするかばかり考えているが、世界が注視しているのは日本が今後どうするか、どういう展望に立つか、の方であろう。いや、もっとはっきり言えばそれでしか持続可能性がない自然エネルギーをどの程度、どれだけ高度な技術にまで追究して実現していくか、についての方だけだと考えておいた方がよほどましである。

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ワニブックスから発売された山口 昌子の原発大国フランスからの警告 (ワニブックスPLUS新書)(JAN:9784847060519)の感想と評価
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