フクシマ以後 エネルギー・通貨・主権 の感想
参照データ
タイトル | フクシマ以後 エネルギー・通貨・主権 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 関曠野 |
販売元 | 青土社 |
JANコード | 9784791766222 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » ノンフィクション |
購入者の感想
「矛盾したものを矛盾したまま統一する」という立場へ行き着きかねない煩雑な議論を明快な実相へ連れ戻す力量は、他の優れた著作を知っているので、さすがだと思う。言語記号によって示された実相がコトの真相に見合うものかどうかを判断するには読者自ら多くの事実を確認してゆくしかないが、第2章で提言される「歴史的現実主義」という視点は、我々が右(左)寄りになるべきかどうかで揺れ動いたり、右と左の良いとこ取りという欲かきをせずに済ませてくれそうだ。 著者が進歩主義とか過去回帰を訴えているわけではないことは、148ページを読めば分かる。 9条と24条の件に関して異論はないが、私の考えは趣きが異なる。日米安保については違う意見だが、人間にとって常に現在的な問題であり続ける事柄についての著者の理解は共産主義者や保守派よりずっと深い。 アメリカの国柄については著者の言う通りだが、だからと言って国民性まで疑う人がいるなら私は弁護する。