ナチュラリー の感想

かつて、コルトレーンのバラードがビター・スウィートと評されたことに準えるならば、この渡辺さんの新作は、正にへヴィー・ライトと表現したいと思います。齢（よわい）８０歳を超える渡辺さんが、今現在で辿り着いた音楽は、このような音であったということを僕らは知ることができます。軽妙洒脱でありながら、何と深いことか！。この二律背反をリスナーは即座に知ることになるでしょう。極めて観念的ですが、この新作は渡辺さんのこれまでの音楽人生が本当に濃縮しているのだなぁ~と思いました。素晴らしい作品ですが、この美しい音楽の前に言葉は無力です。ただショップに行って、このＣＤを手に取り、プレーヤーにかけて聞いてほしい。こういう人生を送りたい、と羨望すら覚える作品です。ＣＤジャケットの高そうなスーツもばっちり決まってますね！