1/500 宇宙戦艦ヤマト2199 (宇宙戦艦ヤマト2199) の感想

本放送当時に発売された500円のゼンマイヤマト…波動砲口からスプリングミサイルが飛び出すぞんざいなヤマト…結局購入を見送ったイメージモデルヤマト…後続のメカコレも含めて、当時のバンダイによる立体化「ヤマト」はほとんど劇中そのものの魅力を感じることは出来ませんでした。しかし、もはやアラフィフの老眼が混じり始めたおっさんに…ついにこのヤマトが!
粗組立てのおよそ30分後、劇中そのもののフィーリングで目前に現れた美しい艦体…!
暫し心奪われ 遠い追憶に魂が揺さぶられる思いでした。
(勝手に脳内BGMが高らかに…!)
1/350から続いた賛否両論の各スケールのヤマト立体化…旧HDDVD-box付属品の衝撃的な立体化アプローチを挟み…MGやPGシリーズガンダムで培われたであろう成型技術のフィードバックによる製品化へのノウハウ…十年前なら到底有り得なかった、「偶然の積み重ね」によって産み出された ひとつの偉大なマイルストーンだと思います。
1/350も前回の1/500も(DVDbox付属品も)購入させて戴きましたが 自分にとってはこれこそが、40年間 待ち望んでいた「ヤマトのプラモデル」です!
本編のイメージを損ねることなく、ビギナーにも易しく簡単に組み上がる。ベテランの方にも手を入れる楽しみの余地が大いにあると思います。
できることなら 10歳当時の自分にプレゼントしたい。

とにかくデカイ！家族の白い目に耐えられる人だけ買って下さい。
【良い所】
2199版の設定を盛り込んだディテールが各所に入っているので素組みでも精密感があります。特にレーダーの格子が抜けている所や甲板の表現が良いです。

コスモゼロの機首アンテナがやっとそれらしい造型になりました。(今までのは酷い形でした)

今回はハヤブサの回転格納庫は有りません。価格高騰を嫌ったのか年末発売に間に合わなかったのか分かりませんが、船体を開けたがらない人には無用の長物なので最初からオミットされているのは嬉しいです。(ネオ・メカニック・モデルにでも任せておけと。)
ただインストにスカスカの船体内部を見せてコスモゼロやハヤブサを飾れとは思い切った事をやるなと思いました。他の方のレビューにも有りますが主翼パーツの差し込み部が在るのでプレミアバンダイで主翼と回転格納庫でも販売するば良いんじゃないですかね？

全体でみれば特にこだわりが無ければ素組みでスプレー缶塗装とデカール貼りで充分なのですが…。

【悪い所】
詳細な設定資料が出回っているので下手な事は出来ないはずですがバンダイは平気でやってしまいます。
大きな所では三つ。
一つはレーダーの横桁が筒では無く、L字になってます。これは旧1/500の主砲測距儀の桁と同じ手抜き方法で後ろから見た時の事を何も考えていません。

二つ目は主砲側面の謎の溝です。旧1/500や1/1000にも有りますが、これは大和の主砲側面のラッタルを落とし込んだデザインと思われるが、主砲側面の装甲板に溝が有る事などあり得ません。いい加減に止めて欲しいです。

三つ目はカタパルト管制室のクリアパーツの位置が全然違います。設計者は2199を見ていないのか？

他にも小さな不満が沢山有ります。
・探照灯がクリアパーツではない。
・主砲のバーベット(台座)が一体成型
(台座が回る訳無い！)
・補助エンジン部分がクリアパーツでは無い。(旧1/500ではクリアパーツ有り。)