カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(下) (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトルカラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(下) (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者ラインハート・レンネバーグ
販売元講談社
JANコード9784062578554
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » バイオテクノロジー

購入者の感想

 バイオテクノロジーは今や幅広い分野にまたがっているが、本書はそれを基礎から応用までうまくまとめている。この下巻では、アミノ酸やビタミン、抗生物質の生産開発のホワイトバイオテクノロジーの章から始まり、ウイルス/抗体/ワクチン、胚/トランスジェニック動物、がん/幹細胞、そして最後にバイオを利用した分析技術/ヒトゲノムの内容が計5章にわたって盛り込まれている。ウイルス/抗体の章では、ウイルスの基礎的知識から始まり、抗ウイルス薬の開発、HIV感染検査法の開発に併せて、抗体の話が登場し、その後、ウイルスベクターを利用したワクチン開発、ファージディスプレイの技術革新、抗体酵素や抗体医薬の開発にもっていく流れは見事である。心筋梗塞/がん/幹細胞の章では、抗凝固剤/血栓溶解剤、インターフェロン関係、抗がん剤の開発、iPS細胞の後、遺伝子治療の話の中でRNA干渉が述べられている。また、バイオを利用した分析技術/ヒトゲノムの章では、バイオセンサー、妊娠/エイズ/心筋梗塞の検査法の開発、DNAフィンガープリント/RFLP/SNP/FISH/EST/PCRを含む各種DNA分析技術、法医学DNA鑑定法、DNAチップ、2次元電気泳動/プロテオミクス/MALDI-TOF、そして最後にナノバイオテクノロジーへと話をもっていっている。ドイツ人の教授は博学だという話を聞いたことがあるが、著者のこのようなまとめ方を見て、まさにその思いを強くした。

 ホワイトバイオ、ウイルス、抗体、ワクチン、胚、クローン、トランスジェニック動物、心筋梗塞、がん、幹細胞、バイオを利用した分析技術とヒトゲノムを扱っている。これだけの内容が1冊にまとめられるのは驚き。上巻もあわせて、バイオの領域がこんなに広いなんて知らなかった。写真やイラストも沢山あり、しかも美しい。ノーベル賞受賞者など著名な研究者の顔も拝め、日本の研究者もバイオの発見や開発に結構かかわっていることを初めて知った。教科書に載るような研究っていうのは簡単にはできないが、視点を変えると凄い研究ができそうだと感じられた。この本を読むと、はやりのテーマに群がって研究をするよりも、新しいことを探したり、やってみようということが大事だと分かる。専門分野が違うからと言って読まないのはもったいない。幅広い分野を見聞きすることで違ったものの考え方ができるようになると実感した。色々な発見や開発の歴史が書かれたコラムも良いアクセントになっている。短い文章の中にも、深い考察とターニングポイントとなる研究の進展が記載されていて、思わず襟を正して読んでしまうこともしばしば。これからバイオを志す若い人たちだけでなく、スペシャライズドされた年配の人にとってもためになる本だと思う。500ページほどで、この値段はお買い得。

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講談社から発売されたラインハート・レンネバーグのカラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書(下) (ブルーバックス)(JAN:9784062578554)の感想と評価
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