アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか の感想
参照データ
タイトル | アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 松本 晃一 |
販売元 | ダイヤモンド社 |
JANコード | 9784478312148 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 書店・古書店 |
購入者の感想
日本でオンライン書店アマゾンの立ち上げに携わった著者が2000年3月から2002年6月にかけての体験を綴った書。
アメリカのアマゾンの株価への影響を回避するために日本のアマゾンの創設は徹底的な秘密主義で行なわれていたとのこと。
そんな「誰も知らない、でもこの私は知っている」という巨大プロジェクトを仲間たちと立ち上げた興奮と緊張がよく伝わるドキュメントです。持てる才能・知識・経験を生かしてこれだけ大きな企画を推し進めていく。仕事としてはたまらない昂揚感を味わえたことでしょう。そのワクワク感を共有できる書です。
ただしひとつ大いに気になる点を指摘しておきます。
著者は、アマゾンの気風を「何も教えてくれない、しかし何でも学べる会社」と形容しています。個人の資質や努力と言うものをかなり強く信じているということのあらわれなのでしょうが、これは従業員同士の横のつながりが希薄であるということと表裏一体です。
著者自身も、良かれと思って休日返上で個人的に始めたあるプロジェクトが根回しの不備から日の目を見ないという苦い経験について綴っています。これも著者と他の社員との間の関係に連続性がなかったことを如実に表している出来事です。
つまりアマゾン社内では各従業員相互で情報や知識、そして経験の有効な共有という取り組みが一切されていない様子なのです。
こうしたことが、均質で統一感のある顧客サービスを阻むことになります。私はアマゾンに質問のメールを出したことが幾度かありますが、毎回アマゾン担当者が異なり、しかも担当者が変わると対応の仕方に少なからず差があると感じたことが何度かあります。その理由が従業員同士の引き継ぎ不足にあるらしいということが、本書を読んでいて容易に想像できるのです。
アメリカのアマゾンの株価への影響を回避するために日本のアマゾンの創設は徹底的な秘密主義で行なわれていたとのこと。
そんな「誰も知らない、でもこの私は知っている」という巨大プロジェクトを仲間たちと立ち上げた興奮と緊張がよく伝わるドキュメントです。持てる才能・知識・経験を生かしてこれだけ大きな企画を推し進めていく。仕事としてはたまらない昂揚感を味わえたことでしょう。そのワクワク感を共有できる書です。
ただしひとつ大いに気になる点を指摘しておきます。
著者は、アマゾンの気風を「何も教えてくれない、しかし何でも学べる会社」と形容しています。個人の資質や努力と言うものをかなり強く信じているということのあらわれなのでしょうが、これは従業員同士の横のつながりが希薄であるということと表裏一体です。
著者自身も、良かれと思って休日返上で個人的に始めたあるプロジェクトが根回しの不備から日の目を見ないという苦い経験について綴っています。これも著者と他の社員との間の関係に連続性がなかったことを如実に表している出来事です。
つまりアマゾン社内では各従業員相互で情報や知識、そして経験の有効な共有という取り組みが一切されていない様子なのです。
こうしたことが、均質で統一感のある顧客サービスを阻むことになります。私はアマゾンに質問のメールを出したことが幾度かありますが、毎回アマゾン担当者が異なり、しかも担当者が変わると対応の仕方に少なからず差があると感じたことが何度かあります。その理由が従業員同士の引き継ぎ不足にあるらしいということが、本書を読んでいて容易に想像できるのです。