Pharmacokinetics and Metabolism in Drug Design, Volume 31 (Methods and Principles in Medicinal Chemistry) の感想
参照データ
タイトル | Pharmacokinetics and Metabolism in Drug Design, Volume 31 (Methods and Principles in Medicinal Chemistry) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Dennis A. Smith |
販売元 | Wiley-VCH |
JANコード | 9783527313686 |
カテゴリ | » 洋書 » By Publisher » Wiley |
購入者の感想
医薬品研究の過程で、小動物のモデルで好成績が得られたにも関わらず、大動物に反映しなかったり、ヒトでの臨床試験で成果を上げる事ができない事がしばしばある。これは、その化合物がドラッグライクネスから外れている、すなわち化合物の物性が悪い事が原因である場合が多い。この見地から、本書は、ヒトの腸管から吸収される為の物性は何か、ドーズと求められる物性の関係、それがどう分布して、ターゲットの占有率がどの程度になるか、連投時ではどうか、腎クリアランスを受ける化合物の物性はどうか、代謝の機能とその制御、構造由来の毒性やその予測、小動物からヒトまでの外挿、などを「実際の医薬品」を実例として紹介する。よって、単なるADMEToxの教科著としてでなく、これを理解する事で、ドラッグライクネスに求められる物性を概観し、イメージする事が出来る。薬物動態に関しても、簡単なコンパートメントモデルをベースにシンプルな図解で理解を助けてくれる。筆者は、アストラゼネカのADME予測グループのプロジェクトリーダーであるWaterbeemd、ファイザーの薬物動態グループの副本部長のDennis Smith、そして、アムロジピンやバイアグラなどファイザーの5つの医薬品創製に携わったDon Walerの3人で、真の医薬品を扱った研究者ならではの説得力のある内容と言える。医薬品上市の成功確率を上げる為の物性ベースのドラッグデザインの基礎を身につける上で最適の良書です。