神社の起源と古代朝鮮 (平凡社新書) の感想

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参照データ

タイトル神社の起源と古代朝鮮 (平凡社新書)
発売日販売日未定
製作者岡谷 公二
販売元平凡社
JANコード9784582857047
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 原始宗教

購入者の感想

 本書を一読して最も印象に残ったのは、著者の好奇心の強さ、バイタリティの高さである。年齢について言うと逆に失礼になるのかもしれないが、著者略歴から年齢を知って読むと、各地の神社を興味の赴くまま一日にいくつも、徒歩や場合によっては貸自転車に乗って巡ってゆく気力、体力の大きさには驚くほかはない。訪ねた土地の印象や地元の人との興味深いやり取りなども述べられていて、紀行文としてはよく書かれていると思われる。

 ただ、著者の主張したい点については素直には納得できなかった。本書の表題にあるように、著者は古代における神社の成り立ちに朝鮮、特に新羅の影響が大きかったことの実証を試みている。確かに、本書で取り上げられている近江、越前、出雲といった地域の神社に渡来人やその子孫が祀ったもの、あるいは新羅由来の神を祀ったものが多いことは理解できる。しかし、地理的にも最も朝鮮半島に近く往来が容易だったこれらの地域にそういう事実があることは当然のように思われるし、そのことが即ち日本の神社の成り立ちそのものに本質的な影響を与えたとは思われない。第二章に天日槍がもたらした宝物の一つに「熊の神籬」があるということが述べられていて、これが神社の原型であるとされている神籬(ひもろぎ)に直接的につながることが実証されるのかと思って読み進めたが特にそういう訳でもなかった。最後の第七章で著者は韓国の慶州まで足を延ばし、朝鮮半島で神社に相当する聖地である「堂(タン)」を訪ね歩いているが、いくら古代から大きく変質しているとはいえ、著者の記述から描かれる「堂」の姿に日本の神社に重なる要素を見出すことは全くできなかった。

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