負けんとき 上: ヴォーリズ満喜子の種まく日々 (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル負けんとき 上: ヴォーリズ満喜子の種まく日々 (新潮文庫)
発売日2014-07-28
製作者玉岡 かおる
販売元新潮社
JANコード9784101296210
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » た行の著者

購入者の感想

近江八幡駅から長命寺までバスに乗った時、夫妻の活躍した近江兄弟社を経由したので何かの縁かな?と読んでみた。

副題は「ヴォーリズ満喜子の種まく日々」。主人公は華族出身の一柳満喜子(ひとつやなぎまきこ)。アメリカからやってきたキリスト教伝道者・建築家のメレル・ヴォーリズと出会う・・。ヴォーリズの建築物は、教会、大学など沢山残っている。著者の母校神戸女学院大の建物もそうだ・・・。多少は、小説的色付けはあるのかな?とも思われるが、内容は事実に基づいた「伝記」。二人の人間的魅力がよく書けている。女子大学教育の黎明期についても詳しく書いてあり、日本女子大、津田塾大、神戸女子大の創設時の様子もわかる。

「GHQは、米来留の語った日本人論を基調とし、天皇を戦犯として処刑することなく解き放つ。そして神でなく象徴となった天皇を核として、日本は奇跡の復興を果たしていくのだ。」(下巻p426)との経緯があったそうだ。近年、アメリカの「文書公開」で確認されている。*ヴォーリズは、その頃は、日本に帰化して、「米来留」(めれる)と名乗っていた・・。

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