秒速5センチメートル one more side の感想

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参照データ

タイトル秒速5センチメートル one more side
発売日販売日未定
製作者加納新太
販売元エンターブレイン
JANコード9784047273078
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購入者の感想

監督をつとめた新海誠さんの小説があるのに
まさかもう一冊小説という形で秒速が出るとは思いませんでした。

感想は他の方のレビューにおまかせするとして、僕のレビューは
「秒速5センチメートル」という作品を最大限楽しむため、
派生作品を見る、読む順番について書きたいと思います。
秒速は原作映画含め4つもありますし、秒速を深く味わう為にも
4つの作品を順序良く見る/読んでいくことは大切なんじゃないかと思います。

まずなにより最初は原作映画です。これは譲れません。賛否両論ありますが、
個人的にはとても心に響きました。絶対に最初に見るべき作品です。

次に監督新海誠氏が自ら書いた小説版秒速5センチメートルですね。
映画ではちょっとしか出なかった人物についても書いてありますし、
何より遠野貴樹についても掘り下げて描いてあり、多少文章の拙さはありますが
とても感動できる内容です。原作映画→原作小説の流れは鉄板でしょう。

次は本作、「秒速5センチメートル one more side」ではないでしょうか。
そこまでキャラの掘り下げがあるわけではないですが、one more sideの名前の通り
秒速を愛する人なら一読はすべきです。

最後に4つ目、清家雪子さんの漫画版「秒速5センチメートル」を締めとして読んでほしいです。
上下巻ありまして1巻目はほぼ原作通りですが、2巻目の清家さん独自の解釈が大変面白い作品です。
また上記3作が男性作者に対して漫画版は唯一女性の手による「秒速」です。繊細な感情表現や
コマ割りがとても印象的で(語弊があるかもしれませんが)女性にしか描けない内容で、
こちらも買って損はない本です。

以上4つの「秒速」をみる順番について書いてみました。どの作品も最低4回は読んでいるので、
個人的に「秒速は知ってるけどみたことないんだよね」という方におすすめするつもりで
書いてみました。秒速ファンが増えればいいな、と思っています。

『秒速5センチメートル』が今度は加納新太先生によるノベライズで返ってきました。装丁は綺麗で文字も黒色印刷ではないところが素敵です。

私は、原作である新海誠監督によるアニメーション映画と、新海監督が著した『小説・秒速5センチメートル』も読みましたが、これらと比較してみると本作は主人公が変更となっています。

つまり、桜花抄では明里視点(原作では貴樹)、コスモナウトは貴樹視点(原作では花苗)、秒速5センチメートルでは貴樹と明里の交互の視点(原作では歌と映像のみ)で描かれており各話で中心に動く主人公が原作とは違うので、ある時にはまるで違う話のように感じられるのです。

桜花抄では、明里が発した「秒速5センチメートルなんだって」という言葉に込められた本当の意味が明らかになり、これは大変に興味深く切ないものでした。

次にコスモナウトでは貴樹が主人公となったことで、彼の人間臭さと計算高さを感じました(笑)煙草を吸ってたり、花苗のお姉さんである澄田先生と陰で何回か話してたり、それで本当は花苗の気持ちを十分に知っていたのに、意識的に近付いたり遠ざかっていたりしたこと。貴樹の心にはそうしなければならない、痛みや男のプライドがあったのでしょう。

そして秒速5センチメートルはおおむね原作通りに進みますが、明里の結婚や就職についての思いが明らかになります。そして最後には、あの日貴樹と明里が書いたお互いへの手紙が載っています。

総合的な感想を書きますと、まず花苗だけが好きな方は原作以上にピックアップされた場面はほとんどありませんのであまりオススメできません。一方貴樹や特に明里が好きな方は本作品を楽しめる気がします。

しかし思いの外、原作+αとして冒険した場面が少なかったかなといった印象です。また、全体的に改行が多めで貴樹が見る夢の描写などは詩や悪く言えばケータイ小説のように思えてしまいます。この辺りは評価が分かれそうなところです。

私としては、完璧とまでは評価できないけれど、これもまたひとつの秒速5センチメートルだと感じます。本棚に入れたくなる一冊だと思います!

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