Dean Koontz's Frankenstein: Prodigal Son の感想

タイトルといい、シリーズ物であるらしいことといい、共著であることといい、カバーの装丁といい、どうもこれまでのKoontz作品とは一線を画している感じが漂っております。読み始めてみると、いきなり猟奇的な連続殺人事件が勃発し、これまた随分にぎやかな(？)、一昔前のこてこてB級ホラー的な展開となります。
それなりに多彩な登場人物が現れはしますが、シリーズ物の長丁場になるからでしょうか、結構出入りが激しく、Koontzの悪い癖ですがツジツマ合わせやストーリー展開の必然性がイマイチな部分も散見されます。シマイにはエイリアン風の展開を見せて次作に続くとなりますが、こうなると何でもありでしょうか。
『フランケンシュタイン』の現代風アレンジとして素直に楽しめる人と、従来の延長でのKoontzらしさを求める人とで評価が分かれるかも知れません。カリフォルニア州を舞台にしていないのも、マンネリとの批判はあるでしょうが、淋しい感すらあります。まさかチベットの修道院から物語が始まるとは思いませんでした・・・。