基準値のからくり (ブルーバックス) の感想

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参照データ

タイトル基準値のからくり (ブルーバックス)
発売日販売日未定
製作者村上 道夫
販売元講談社
JANコード9784062578684
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 一般

購入者の感想

単純に雑学書として愉快に読めるという以上に、3.11以降・以前に発生したあらゆる安全への疑問や不安と対峙するための良書であると思う。
この本は「基準値は余裕を持って決められているからちょっと超えたくらいで騒ぐな」というものでも、「行政の定める数字は信頼してはいけない」というものでもない。
主に日本の食品安全基準や環境基準を対象に、現行の基準値はどのような人々がどのように考えて決めたものなのか、それの「安全さ」はどれくらいなのだろうか、ということを比較的中立の立場から、たのしく紹介するものである。

「基準値というものも専門家といわれる人たちが考えたにしては案外、いいかげんなやり方で導出しているんだなあと思われた人もいるかもしれない。逆に、意外といろいろ考えられているんだなあと思われた人もいるかもしれない。筆者らが本書を著した意図は、基準値の数値自体が妥当である、妥当ではないと主張することではない。その判断は読者のみなさんに委ねたいと思う。」

というのは本書あとがきの冒頭だが、これがまさに全体の意図だとわかる。
(もちろん本文中にはしばしば著者たちの意見が登場するが)
メディアがさまざまな論評を全方面のできごとに下すなかで、わたしたち自身がものごとを判断するために、真摯に「基準値オタク」が語ってくれたこの本をおすすめしたい。

なにより、「なぜ『お酒は20歳から』に決まったのか?」、知りたいと思わないだろうか。

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