輪廻転生 〈私〉をつなぐ生まれ変わりの物語 (講談社現代新書) の感想
参照データ
タイトル | 輪廻転生 〈私〉をつなぐ生まれ変わりの物語 (講談社現代新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 竹倉 史人 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062883337 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 宗教 » 宗教入門 |
購入者の感想
限られた紙面で、古今東西の生まれ変わり現象・文化・思想を簡潔・的確にまとめられた著者の筆力に脱帽です。輪廻転生について幅広く知るには格好の入門書(「入門」というレベルではありませんが)ですが、同時に、近代以降の西洋的思考の範囲内でとらえがちな「私」というものを相対化し、考え直す機会を与えてくれます。「ギリシア哲学を引き合いに出すまでもなく、死について問うことは「人間とは何か」を問うことに等しく、その問いは「私はいかに生きるべきか」という規範の感覚を養ってくれます。これが文化(カルチャー)という言葉の真の意味です。とりわけ人文諸学はこうした教養(カルチャー)を人間を自由にする技術(リベラル・アーツ)として今後は発信していく必要があるでしょう」(p. 214)という筆者の言葉に首肯します。