読書について (光文社古典新訳文庫) の感想

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参照データ

タイトル読書について (光文社古典新訳文庫)
発売日2013-05-14
製作者アルトゥール ショーペンハウアー
販売元光文社
JANコード9784334752712
カテゴリ人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門

購入者の感想

学生時代、必死に読書していた頃に岩波文庫版を読み
「多読の結果として愚者になることの戒め」に衝撃を受けました。
その本は、現在でも座右の書として読み返しています。

本書は、岩波文庫版と同じく「自分の頭で考える(岩波版では"思索")、著述と文体について、読書について」が収録されています。
これら3作は他者の記述した文章との向き合い方を考える上で重要な示唆を、現代の我々に与えてくれます。
ショーペンハウアーの時代には他者の記述した文章は書籍の形で流通していましたが、現代ではそれに留まりません。
インターネット上のテキストなどの情報が氾濫した現代において、ショーペンハウアーの指摘はより重要さを増しているとも言えます。

しかし、岩波文庫版はさすがに50年(改版からは30年)も前の翻訳です。
個人的には味わいのある文章だと思うのですが、今の読者に薦めてもなかなか読んでもらえませんでした。
ですので、新訳の出版は非常に有意義な試みです。それは例えば、"思索->自分の頭で考える"が象徴的です。
それだけで★5つに値すると考えました。

本書で触れられている「読まずにすます技術」について深掘りしたい方には
読んでいない本について堂々と語る方法をおすすめします。
釣りっぽいタイトルですが、テキストを読むことへの実学的姿勢という点で本書と通じるものがあります。

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