保守とは何だろうか (NHK出版新書 418) の感想

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参照データ

タイトル保守とは何だろうか (NHK出版新書 418)
発売日販売日未定
製作者中野 剛志
販売元NHK出版
JANコード9784140884188
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

『古典と呼ぶべき名著』

中野剛志氏の著書「保守とは何だろうか」は平成25年10月に発売されました。当時は安部総理が8%への消費税増税を発表し、多くの保守派が信じていた「瑞穂の国の資本主義」の実現が音を立てて崩れ去って行くその最中での出版です。詭弁に次ぐ詭弁を繰返す安倍政権の「言語空間の乱れ」が危惧される今日、この「保守とは何だろうか」は古典と呼ぶに相応しい名著として大きな意味を持ちます。

『保守とは何かを問う』

総ての著作を網羅した訳ではありませんが、本書は中野剛志氏のベストで、かつここ数年私が出会った著書のベストでもあります。とにかく読むのに時間が掛かりました。難しいというより、内容が濃く、ページをめくる度に、暫し考えさせられ前に進めない場面も多かったのです。我々は安易に保守という曖昧な言葉を用いますが、その本質的な意味を鋭く読者に問い掛けます。

『中身はコールリッジ研究書です』

保守という言葉を考える時に、多くの人は、日本の歴史や伝統の中から、それを連想しますが、中野氏は異なります。フランス革命の混乱が収集し、産業革命が進行中で、大英帝国が絶頂期を迎える前のイギリスの状況が、現在の日本に似ているとの判断から、コールリッジを召還して論考しています。本書の内容は多岐に渡りますが、コールリッジ研究本と呼んでも差し支えないです。

『ユニバーサル=ポスト・グローバリズム』

中野氏の著作、日本思想史新論では、明治維新を迎える前の日本のナショナリズムに着目しましたが、本書では英国の保守思想の研究、しかもコールリッジに的を絞った論考が目を引きます。これは、中野氏が保守思想を、人類共通の普遍的な思想として捉えている可能性を示唆します。佐藤健志氏の対談本「国家のツジツマ」の中で、この普遍性を「ユニバーサル」と呼び、「ポスト・グローバリズム」の可能性の一つとして提示しています。

『ユニバーサルなコールリッジ』

中野剛志氏は、自由貿易・規制緩和等の新自由主義的政策を是とする、
悪しき経産省官僚の中に於いて、文字通り「孤立無援」の戦いをおよそ3年に渡って繰り広げてきた。

デフレーション時の正しい政策としての積極財政。
市場原理主義的な競争促進の恐るべき陥穽。
「日本的な在り方」を守る上での、本当に必要な改革とは何なのか…
また、西部邁氏主宰の「発言者塾(現表現者塾)」出身者としての国家観を展開している。
昨今の第二次安倍内閣に於ける不穏な動きを見るに、中野氏の憂慮は傾聴に値する。
安倍総理、西田昌司参議院議員と中野氏の直言を聞き、もう一度考え直して下さい!

「日本思想史新論」「日本防衛論」を更に見事に纏め上げた一冊です。
これから氏の思想を学ぼうという方にもお薦めです。

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