ヒメゴト~十九歳の制服~ 5 (ビッグコミックス) の感想

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「制服」を身にまとう事で自らの秘めた欲望を満たす、危うい１９歳を描いた最新巻。

一人は、女である事を確認するために。
一人は、自分の価値を証明するために。
そしてもう一人は、自らの性と決別するために。

“決して周りに知られちゃいけない、知られたくない“と「制服」を着続ける＝仮面を被り続ける彼らの関係はますます歪み
やがて相手への「征服」欲を増長させていく。

「二人で一緒にいないで」「全部知りたい」
でもこの恋心はバレたくない。

「ヨシキを守るためならなんでもする」「代わりにあなたが私を受け入れてくれる？」
彼女は私のもの。でもこの関係が虚構だと知っている。

「ワタシには時間がないの。キレイだって言って。私を見て！」
女装できる時間に終わりが近づいているのがわかる。
でも彼女の恋心を受け入れられない。友達でいたい。

嘘と本音が入り乱れて、ついに今巻で３人の関係性が崩れ始めた。
全く違うようでいて実は似た者同士だった２人の急接近で、主人公の欲望はどこへ流れていくのか。
３人に共通する「自分を認めて欲しい。ありのままの姿でいたい」という感情が、そろそろ爆発しそうだ。
次巻もとても楽しみ。

・・・ところで小学館は、いつまでこの有望な作家をケータイサイトなどに埋もれさせているのか。
他社のエロティクスFや楽園等、作風にあった雑誌に掲載されれば
一気に認知度が上がりそうなのにもったいない。