Already Dead: A Novel の感想

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参照データ

タイトルAlready Dead: A Novel
発売日2005-12-27
製作者Charlie Huston
販売元Del Rey
JANコード9780345478245
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Random House

購入者の感想

主人公のJoe Pittはヴァンパイア。といってもドラキュラ伯爵のようなVampireではなく、Vampyre。そう、彼はvampyreウィルスに「感染」したヴァンパイアなのだ。

物語はPittがゾンビ・ウィルスに感染した人間を調査する場面から始まる。感染者数名を「片づけた」Pittだったが、感染元となる人物が判明しない。一方、とある金持ちの女性からPittに対し、「行方不明になった娘を探してほしい」という仕事の依頼がくる。どうやら彼女はPittがVampyreだということを知っている模様。そしてその夫である研究者との接触。

いくつかの派閥に分かれて縄張り争いをするニューヨークのVampyre達。その中にあってPittは一人、どの派閥にも属さず仕事をする。事件が積み重なり、一見関係ないと思われた出来事が一本の線でつながったとき、ものごとは加速度的に進みだす。そして、とある事情から「血」を絶たれたPittにも驚くべき変化が訪れる。。。

この本を購入する以前は、作者の名前を聞いたこともなければ本の内容がだいたいどういうものなのか一切知らなかった。いわば、全く白紙の状態で読み始めた。結果は正解。主人公であるJoe Pittの一人称による語りは、小説の背景(登場人物の多くは太陽の光が届かないところ、あるいは夜しか活動できない)とも相まって、物語に独特の影を落としているが、これが良い。主人公以外の人物もキャラクターの輪郭がはっきりわかるように描かれている。探偵小説的プロットも良い。必ずしもミステリーという範囲の小説ではないが、謎が解決されるのも良い。

なお、Joe Pittを主人公とするこの物語、Joe Pitt Casebooksという名前でシリーズ化されており、現在まで本作以外に4作が刊行されている。ステファニー・メイヤーの描くようなヴァンパイアものを期待している方にはどうかと思うが、ノワール的、というか、著者のCharlie Hustonが言うところのパルプ小説的なヴァンパイアものを志向される方にはおすすめです。

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