ダーウィン『種の起源』 2015年8月 (100分 de 名著) の感想

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タイトルダーウィン『種の起源』 2015年8月 (100分 de 名著)
発売日2015-07-25
販売元NHK出版
JANコード9784142230532
カテゴリ人文・思想 » 本・図書館 » 目録・カタログ・インデックス » 選定図書総解説・目録

購入者の感想

 小泉首相は、平成13年9月の所信表明演説において、ダーウィンの進化論を引用して
次のように述べています。

 ・・私は、変化を受け入れ、新しい時代に挑戦する勇気こそ、日本の発展の原動力で
  あると確信しています。進化論を唱えたダーウィンは、「この世に生き残る
  生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。
  そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」という考えを示したと
  言われています。 ・・・

 小泉首相はたぶん「生き残るためには環境の変化に果敢に挑戦しなければならない」
と保守的な抵抗勢力に変化の重要性を協調したかっただけだと思います。
実際にダーウィンがこのように言ったかどうかはわかりません。

 ダーウィンの進化論は(当時のキリスト教の価値観から見て)あまりに衝撃的な
内容だっただけに、科学の枠をはみだして哲学、社会思想、政治、ビジネスにまで
影響を与えています。しかもそれぞれがダーウィンの本来の考えとはかけ離れて
「自分に都合のよい」主張を始めるのです。

 例えば、

○ 優れた者が劣った者を蹴落として富を手にするのは当然だ。(資本主義の論理)
○ 社会は低次(単純)から高次(複雑)へと進化する。(スペンサーの社会進化論)
○ 社会的に有益な人間をつくるために遺伝子操作をすべきだ。(ナチスの優生主義)

とか。

 しかし当書の著者の長谷川眞理子氏によると、ダーウィンが「種の起源」の中で
述べているのは本質的には次のふたつです。

 (1)地球の生き物はすべてつながっている。(すべての生き物は最初に生命が
   ふきこまれたあるひとつの原始的な生物から由来している)
 (2)生き物には高等も下等もない。(ヒトもサルもミミズも進化の最前線に
   立っていて同列である。)

 「種の起源」(1859年)でこの主張を展開したダーウィンの勇気と先見の明に

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