素粒子の宴 新装版 の感想
参照データ
タイトル | 素粒子の宴 新装版 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 南部陽一郎 |
販売元 | 工作舎 |
JANコード | 9784875024156 |
カテゴリ | ジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 量子物理学 |
購入者の感想
南部先生(当時57才)とポリツァー先生(当時29才)のざっくばらんな対談(1978年)、および南部先生が半生を語ったインタビュー(1979年)を収めた本の再刊です。南部先生は「対称性の自発的破れ」について、ポリツァー先生は「漸近的自由」について、そのアイディアを思いついた時の状況・経緯を語っているところが面白いです。(但し この面白さが分かるには、やはり素粒子論について少しばかり基礎知識があった方が良いでしょう。まずは「クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか」をお読みになることをオススメします)素粒子論のベテランと新進気鋭の若手がお互いの物理観をぶつける対話は読み応えがあります。「物理学は、秩序だって進歩するものではありません」「本当のパラドックスに直面すれば、そこから本当の進歩が始まる」(南部)、「仕事の大部分は非常に論理的に、システマティックに、慎重に、やるものですが、その重要な部分には、不条理な、ありえないような、想像もつかないような、そんな要素が必ず含まれています。」(ポリツァー)なんて発言を読めるだけで嬉しくなります。(^-^) 生物学者Delbrueckの言葉「科学者が成功する秘訣として、"limited sloppiness"(限定的な"いい加減さ")が必要」と通じる処がありますね。