流通チャネルの転換戦略 の感想

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参照データ

タイトル流通チャネルの転換戦略
発売日販売日未定
製作者V・カストゥーリ・ランガン
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478022511
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » 産業研究 » 流通・物流

購入者の感想

訳者はしがきにもある通り、マーケティングの4Pという超有名なフレームワークの中で、流通チャネルの戦略はほとんど行われていない。
4Pを分析ツールと言ってしまえばそれまでだが、実際に実務に活かす場合に流通チャネルはなかなか扱いづらいものである。
その一つの解を示してくれるのが本書である。

レビューなので本書の用語を使うのは避けるが、自社のみでのバリューチェーンではなく、供給業者から、中間業者、流通業までを含んだ最終顧客まで到達する一連の流れの価値をいかに高めるかということが豊富な事例と共に語られている。

これは二つの点で非常に有効である。

ひとつは、顧客ニーズが多様化し、ニーズがなかなかつかめないなか、自社だけで多様化する顧客ニーズを満たすのは困難なためである。顧客ニーズの多様性に対応するために商品コンセプトから広告、流通チャネルまでを自社で賄うことは経営資源の上でも実現が難しいが、チャネル全体に関わる全ての企業が協力すれば、強力な流通チャネルを築き、顧客ニーズを満たすことが出来る。
もうひとつが、顧客の変化への対応を柔軟に行える点である。流通チャネル全体で共通の利益を生むwin-winの関係性をしっかり気づければ、顧客に近い側が情報収集を行い、それに基づいた製品を供給業者が開発していくという役割分担をすることが出来る。最近は顧客に近い側がSPAなど製品開発から販売までを一貫して管理することも多いが、全ての企業が行えるわけではない。SPAは一つの解ではあると思うが、本書の考え方を用いれば企業規模の大小を問わず、顧客価値を高めながら競争力を持つ事が可能になる。

企業は顧客のベネフィットをいかに高めるかが差別化につながるが、その為には、自社だけの最適化や効率化を目指していては実現できない。
顧客が望むことを具現化するために、流通チャネル全体を管理し、方向性を定めるいわばサーバントリーダーシップを持った企業が必要になってくる。目的は自社の利益追求ではなく、顧客の満足度をチャネル全体で高めることだ。それがそのチャネルが生む利益を大きくし、結果、チャネルに携わる企業全体の利益を高めることにつながるのである。

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