スティング [Blu-ray] の感想

この映画が初めて公開されたのは私が高校三年生の時でした。
当時、学校の成績は下がる一方でしたし、受験勉強も上手く行かず、また自由に遊ぶこともままならず、
心の中では本当に暗い時期を迎えていたのですが、そんな時友人が奨めてくれたのがこの映画だったのです。

それは忘れもしない６月の日曜日の午後、ちょうど梅雨時で雨がしとしと降っていた日でしたが、私はこの映画を一人で観に行きました。
ところが、この映画は想像以上に素晴らしかったのです。そして心の中は外の天気とは裏腹にスカっと晴れ渡った気分になりました。
あまりに感動したことから、普段はあまり映画のことなど報告しないのに、
その時私は両親にまで映画の内容を細かく伝えたことを覚えています。
すると、普段はこの種の映画にまったく興味を示さない両親が、なぜか「じゃあ私たちも観に行ってみよう」ということになり、
後日私と同じように感動して帰ってきたのです。

あれから４０年近くになりますが、年老いた父親は未だこの映画が放送されるたびに、
「おい、この映画を（ＶＨＳに）録画しておけよ！」というのが口癖になっています。
既にアナログでは録画できないし、この映画のＤＶＤは既に我が家にやってきているのに・・・。

話は戻りますが、その後私は元気を取り戻し、翌年何とか志望校に合格することができました。
今思えば、この映画は私にとって人生の恩人だったのかもしれません。