フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルフロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)
発売日販売日未定
製作者小路 幸也
販売元集英社
JANコード9784087715101
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » さ行の著者

購入者の感想

ドラマからファンになった私は放送時点で最新刊だった本書がとても気になっていました。つまり堀田サチさんの一人称で語られるこのシリーズが、今回はサチさん以外の視点で語られるという、読み続けてきたファンへのサービスに溢れた一冊だから。確かに登場人物がかなり多いので、この本から読み始めるのは正直厳しいけれど、人によってはどういうこと?と遡って読み納得するかも知れません。つまり「知っていればもっと面白いのに」的ワクワクのある本、でしょうか。
で、脇役やゲストに目が行くアマノジャクの私は、ドラマではほとんど敵役扱いだった雑誌記者の木島が「恩義ある堀田家のために」マードックを見張って・・・というあらすじを知り「嘘ォ」と思いながら(どんな風に描かれているのか興味津々で)読みました。
結末は「やれやれ良かった」な話なんですが、木島という男が結構イイ奴だったので何だか読んでるほうがくすぐったい。ロックというより少し浪花節が入ってるので、もーちょっとハードボイルドでもいいんじゃないかと。木島氏にトップ屋というか一匹狼ルポライターというか、犬神明的キャラを仮託しかけるところでした。(全然違うけど)。まあ彼が大活躍してしまうと昭和平成の政治裏面史をほじるような物騒な話になってしまうでしょうし、むしろ板前・甲さんの話のほうが、終始抑制の効いた語り口で大人向けの印象です。
特に好きなのは「研人とメリーの愛の歌」、特にそのラスト数行。まだレンアイなんて早い頃の研人クンの話だから、その鈍感さが微笑ましいやらおかしいやら。
また同じ趣向で第2弾が出るなら、今度は”旦那さん”勘一や元刑事の茅野さん、藍子さんや池沢さんの話でも、と読後楽しく想像してしまうのでした。あ、でも祐円さんや我南人さんは駄目。なぜって、ねえ・・・。

いつもはサチさんの語りにより物語が進んでいきますが、
今回は堀田家のそれぞれの視点、藤島さんなどの堀田家と親しい人からの視点から
語られていきます。

青さんが堀田家に来た日のこと、
紺さんと亜美さんの馴れ初め、
すずみさんから見た勘一さん、
秋実さんと我南人の出会い、
藤島さんが東京バンドワゴンに初めて来た日のこと、
真奈美さんだからこそ語ることのできる藍子さんの秘密など。
どれも温かいお話です。

これまでの物語で語られなかったことがようやくわかって
更にこれからの東京バンドワゴンを楽しめそうです。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)

アマゾンで購入する
集英社から発売された小路 幸也のフロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)(JAN:9784087715101)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.