香の文化史―日本における沈香需要の歴史 (生活文化史選書) の感想
参照データ
タイトル | 香の文化史―日本における沈香需要の歴史 (生活文化史選書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 松原 睦 |
販売元 | 雄山閣 |
JANコード | 9784639022121 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 趣味・実用 » 香道 |
購入者の感想
香木の需要史がさまざまな面から語られていますが、この本を読むと、香木を用い発達してきた香道についても深く知ることができます。香道の歴史について書かれた本は読んではいましたが、この本ほど親切なものはないと思います。長年の研究で蓄積された豊富な資料(研究書から文学作品まで)を紹介しながら、論を展開されています。ざっと読むこともできますが、興味のある部分は、これらの資料をたどっていけば、もっと深く掘り下げることができるでしょう。これまでの言い伝えに頼っていた自分のとらえ方を見直す良い機会になりました。平成23年の奈良の正倉院展で蘭奢待(黄熟香)を拝見しましたが、明治5年に撮られたこの香木の写真が紹介されています。「足利義政」「織田信長」が切ったとされる紙箋が付いていないことが書かれていたので、改めて図録を取り出して見直しました。また、この春、日本初公開で評判になった『清明上河図』の中の香料店の部分が図版に出ていることに再読して初めて気づきました。読むたびに、著者が日本だけでなく中国の文献や資料まで、広く集め丹念に読まれていることを実感されることと思います。
書名や人名にルビが振られていますし、巻末に索引があるのも使いやすいです。これに事項索引が付いていたら、もっと便利に使うことができるのではないかと思いました。
香道のお稽古をされていて、作法だけでなく、もっと深く知りたいという方に、オススメの一冊です。
書名や人名にルビが振られていますし、巻末に索引があるのも使いやすいです。これに事項索引が付いていたら、もっと便利に使うことができるのではないかと思いました。
香道のお稽古をされていて、作法だけでなく、もっと深く知りたいという方に、オススメの一冊です。