百代の過客 日記にみる日本人 (講談社学術文庫) の感想
参照データ
タイトル | 百代の過客 日記にみる日本人 (講談社学術文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ドナルド・キーン |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062920780 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日記・書簡 » 日本文学 |
購入者の感想
わが国にはこんなにもたくさんの日記文学があったのか、とあらためて気付かされる本。「土佐日記」「蜻蛉日記」といった有名どころから「いほぬし」「源家長日記」など初めて名を聞く無名日記まで80篇の解説。ひとつひとつの解説は比較的短く、読みやすい。拾い読みもたやすくできる。
重要なことは、日記には2種類あること−読まれることを想定した日記とそうでない日記があるということだ。後世からすると、読まれることを想定しない日記は面白くはない。多くは身の回りの事実を淡々と書いていることが多いからだ。しかし、本書ではそういった日記にこそ真実が潜んでいるという。なるほど文学性に乏しい日記にもそんな読み方があるのか、と思わせる。また、著者は各日記の価値も冷徹に評しており、ほめるべきところはほめ、批評すべきところはきちんと批評している。
注目すべきは、ドナルド・キーン氏の才と日本に対する思い、積み重ねられたであろう研鑽、そして本書の「企画」そのものだ。80篇もの日記〜しかも無名日記を含めて〜採り上げるという企画。専門家ではないわれわれが古典文学に親しむ素晴らしいツールを提供してくれたものだと思う。
重要なことは、日記には2種類あること−読まれることを想定した日記とそうでない日記があるということだ。後世からすると、読まれることを想定しない日記は面白くはない。多くは身の回りの事実を淡々と書いていることが多いからだ。しかし、本書ではそういった日記にこそ真実が潜んでいるという。なるほど文学性に乏しい日記にもそんな読み方があるのか、と思わせる。また、著者は各日記の価値も冷徹に評しており、ほめるべきところはほめ、批評すべきところはきちんと批評している。
注目すべきは、ドナルド・キーン氏の才と日本に対する思い、積み重ねられたであろう研鑽、そして本書の「企画」そのものだ。80篇もの日記〜しかも無名日記を含めて〜採り上げるという企画。専門家ではないわれわれが古典文学に親しむ素晴らしいツールを提供してくれたものだと思う。