カフカ ポケットマスターピース 01 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) の感想
参照データ
タイトル | カフカ ポケットマスターピース 01 (集英社文庫ヘリテージシリーズ) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | フランツ カフカ |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087610345 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 外国文学・著者別 » カ行の著者 |
購入者の感想
この一冊で、カフカのイメージが大きく変わりました。
保険局の公文書からは、カフカがいかに仕事熱心なサラリーマンだったか窺えますし、友人や恋人や妹に宛てた手紙を読めば、繊細で神経質だけれど案外「やんちゃ」な人柄が見えてきます。
昔読んだ時受けた印象とすっかり違っていたのは『訴訟』の新訳です。岩波文庫の訳『審判』では冒頭の逮捕のシーンで、侵入者の男たちが乱暴なしゃべり方をし、主人公はです・ます調で受け答えしているので、いかにも「理不尽な暴力の被害者」といったイメージでした。ところが、この新訳では逆に、男たちが丁寧語で、主人公が偉そうな口の利き方をしていて、全体に食わせ者な印象です。彼の運命はもしかして自業自得なのではと感じました。
どちらが「正しい」訳なのかは原文を知らないので分かりませんが、訳によって随分違う人物像が生まれるものですね。
保険局の公文書からは、カフカがいかに仕事熱心なサラリーマンだったか窺えますし、友人や恋人や妹に宛てた手紙を読めば、繊細で神経質だけれど案外「やんちゃ」な人柄が見えてきます。
昔読んだ時受けた印象とすっかり違っていたのは『訴訟』の新訳です。岩波文庫の訳『審判』では冒頭の逮捕のシーンで、侵入者の男たちが乱暴なしゃべり方をし、主人公はです・ます調で受け答えしているので、いかにも「理不尽な暴力の被害者」といったイメージでした。ところが、この新訳では逆に、男たちが丁寧語で、主人公が偉そうな口の利き方をしていて、全体に食わせ者な印象です。彼の運命はもしかして自業自得なのではと感じました。
どちらが「正しい」訳なのかは原文を知らないので分かりませんが、訳によって随分違う人物像が生まれるものですね。