新版　薬剤師がすすめるビタミン･ミネラルのとり方 の感想

以前の版から愛読しており、一家に一冊、一部署に一冊、ひとクラスに一冊、この本があってもいいくらいだと思っている。
たくさんの人におすすめしたし、プレゼントにも使っているほど。

各栄養素のはたらき・不足症状・消耗要因・補給源・多く含む食品、箇条書きだけの本なのに、読み物としても奥が深い。

栄養素のはたらきが、わかりやすく簡潔に書いてあり、口から入った食べ物のその後がわかるので、つい人間の仕組みにまで想いがおよんでしまう。
なるほど、自分はこの栄養素が足りないんで、この風貌で、この性格で、こんな症状がでるんだな、なんて、まるで行間に書いてあるように納得してしまう。

この本は、けっして精神症状の改善本ではないが、他の栄養本よりも、栄養が精神に与える影響が詳しく、
それも、一般人のことばづかいで箇条書きにしてくれている。例えば、こんなふうだ。

心配でしようがない・・・・不足栄養素は、ビタミンB1
支離滅裂な発言をする・・・不足栄養素は、マグネシウム
被害妄想・・・・・・・・・不足栄養素は、ビタミンB3・カルシウム

それなので、特に精神状態がよくない人や、鬱や統合失調症の人をかかえた家族には、自信をもっておすすめ。
精神的症状がすべて心の病とはかぎらないことや、
足りない栄養を食事やサプリで補って、改善されるものもたくさんあることがわかってくれば、病気の出口に見当がつくだろう。

もちろん、肌がかさかさの時にとるといい栄養素も、膀胱炎を起こした時にとるといい栄養素も、足りないと不妊になる栄養素も、更年期にとりたい栄養素もちゃんと書いてある。
栄養が原因かなあ、と思った時は、辞書のように使えるので大変便利だ。

糖尿病だったら、亜鉛が足りなかったのかー、牡蠣を食べれば補えるんだな、食物繊維をとりすぎてもまずいんだな、なんてことがすぐわかる。

かゆいところに手が届く読みやすさで、目からうろこが落ちる。ぜひおすすめ。

ほんとうは、おすすめどころか、学校の教科書にしてほしいくらいに思っています !