The Ultimate Quotable Einstein の感想

アインシュタイン研究家アリス・カラプリス女史による最新増補版です。
新たに約400の引用が加えられ、概ね1,600の引用が23のテーマ別に収録されています。
分厚いですが、装丁も美しく、手にとってパラパラ読むだけでも楽しいです。

前版は「アインシュタインは語る」というタイトルで邦訳されたものが国内で好評でしたので、本書の翻訳も待ち望まれます。

アインシュタインが筆まめだったおかげで、彼の肉声に触れることができるのは、英語学習者としてとても有り難いことです。
格調高くもわかりやすい英語で、覚えたくなるフレーズがちりばめられています。

アインシュタインが世紀の天才であることは間違いないのですが、カラプリス女史は冷徹な客観性と執念滲むリサーチ力で本書をまとめており、膨大な言葉の数々をもって、読み手自身に考えさせる十分な材料を提示してくれているように思えます。
数々の哲学的ともいうべき名言もさることながら、アインシュタインの素顔や人間臭さが、時に驚きをもってびしびしと伝わってきます。

最初の妻で後に離婚するミレバと不仲な時代、従姉妹と不倫を重ねていたアインシュタインが、ミレバに同居生活の条件として残したメモが掲載されています（37ページ）。
これを読んで、私は妻も子供もいる中年男性ですが、恐ろしくて鳥肌が立ったものです。

(A) You will see to it that
(1) my clothes and laundry are kept in good order;
(2) I will be served three meals regularly in my room;
(3) my bedroom and study are kept tidy, and