セロ弾きのゴーシュ (日本の童話名作選) の感想
参照データ
タイトル | セロ弾きのゴーシュ (日本の童話名作選) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 宮沢 賢治 |
販売元 | 偕成社 |
JANコード | 9784039634603 |
カテゴリ | 人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » キリスト教一般 |
購入者の感想
ゴーシュは演奏会を前にして指揮者にもっと練習するよう厳しく言われます.家に帰って,毎晩セロの練習をしようとするのですが,そのたびに,ネコだのタヌキだのカッコウだのがやってきて,ゴーシュはその相手をしているうちに朝を迎えてしまうのです.私のまわりにもたくさんのゴーシュたちがいます.脳外科医としての専門医試験の受験勉強や,自分の研究仕事を仕上げようと思っていても,受け持ちの患者さんの容体が急変したり,新しく急患が飛び込んできたりして,結局は朝を迎えてしまう.でも,若いお医者さんたちは,患者さんとの対応にもまれながら毎日を過すことによって,臨床研究を行う上で大切なことを学ぶのです.それが研究活動を行う上での大切なヒントになることもあります.ゴーシュはタヌキからリズムの取り方を自然に学んでいます.カッコウからは調律や情熱をもって歌うことの大切さを学びます.そうして演奏会の本番では見事に役割を果たし,最後のアンコールでは突然の指名で独奏するのでした.その曲は,ネコをいじめるために選んだ「インドの虎刈り」という激しい曲.そうして観客の拍手喝采! 賢治は農民たちが厳しい生活をしながら芸術を学ぶことの大切さを訴えたかったのでしょう.この本は絵も美しいので特にお薦め.