ニュートリノで探る宇宙と素粒子 の感想

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参照データ

タイトルニュートリノで探る宇宙と素粒子
発売日販売日未定
製作者梶田隆章
販売元平凡社
JANコード9784582503050
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 宇宙学・天文学 » 一般

購入者の感想

本書のp.131にこういう記述がある:
「(特殊相対性理論では)もし物体が光の速さで進んだら、その時計は進みません。また、重さを持つものは光の速さでは進めないことも知られています。以上から、「ニュートリノが姿を変える→ニュートリノの時間は進む→ニュートリノは光よりゆっくり進んでいる→ニュートリノには重さがある」と結論することができます。」
この一節を読んだ時思わず仰け反り、喝采を叫びたくなった。「ニュートリノ振動=ニュートリノ質量」ということをここまで簡潔明快に説明した言葉は数多のマスコミのノーベル賞報道・解説記事では一つも目にしなかった。やはり本質を理解してる方は違う!

正直言うと、書店でこの本を見かけた時「自著」ということを一瞬疑った。出版社企画先行のノーベル賞便乗ゴーストライティング本かと思ったのだ。ノーベル賞受賞発表からわずかひと月で、しかも発表後からの殺人的スケジュールの中で本1冊書ける時間があったとは考えられなかったからだ。けれどざっと立ち読みした所、これは提灯持ちゴーストライターが書いたおざなり薀蓄本などではない、と直感した。慌てて購入して一読再読、結果これは間違いなく梶田教授御本人が書かれたものと確信した。不明をお詫びする。
記述は平明で文章は読み易い。だが内容は大変に豊富でなおかつ深く濃い。理解するのは決して容易ではないが、それは記述のせいではなく主題となっている事柄、素粒子ニュートリノ自体がもともと難解な存在だからだ。天才・秀才が寄ってたかって何十年も苦闘しながらようやく徐々に解明されてきた事象がそもそもわかりやすいはずがない。そこは読者にも覚悟がいる。ただ評者は1974年のJ/ψ粒子発見フィーバー以来の隠れ素粒子論オタで、この手の本には目がない。そして日本にはそういう隠れ素粒子論オタは評者以外にも少なくない、と思っている。

いかにも実験屋さんの書き方だなあと感じたのは、例えば理論屋さんなら現在ではベータ崩壊ならクォークレベルで d → u + W、W → e +

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