残酷な王と悲しみの王妃2 の感想

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参照データ

タイトル残酷な王と悲しみの王妃2
発売日販売日未定
製作者中野 京子
販売元集英社
JANコード9784087716337
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 「残酷な王と悲しみの王妃」の2冊目の本です。
 今回は、ルードヴィヒ二世、アレクサンドル三世妃マリア、カルロス四世、カロリーネ・マティルデの4人の人生を取り上げています。

 私の場合は、ルードヴィヒ二世については、「最後のバイエルン王国の王で、ノイシュヴァンシュタイン城を作った変人」という程度の知識、カルロス四世は「プラド美術館で見たゴヤの家族肖像画の登場人物」程度であり、あと2人の女性については全然イメージすらわかない人物でした。
 ところが読んでみると、どの話もそれぞれに興味深く、食い入るようにして読んでしまいました。

 この本のすばらしいところは、歴史上、主役級の人物ではない人にスポットライトをあてて、その人生をたどることで、独特の視点から歴史を見ていることです。本書は、特に、ヨーロッパの激動の時代(プロイセンを中心としたドイツ帝国成立の直前、革命によるロシア帝政終焉、ナポレオン侵攻によるスペイン王政の終わりなど)を背景にしており、歴史好きにはたまらない時代をとりあげています。
 また、それぞれの人物の行く末にも、それぞれのドラマがあって興味が尽きません。特に、あまり有名でないカロリーネ・マティルデにまつわる心揺さぶられる物語は、他書ではあまり読めないと思われ、必読かもしれません。

 著者の本はこれまで名画(肖像画)とからませた本が多かったのですが、本書の場合、けっこう肖像写真が出てきます。(それだけ、現代に近い時代を題材にとっています。)
 本書は、図版が豊富な本。絵画はカラーで掲載されていますし、写真は当然モノクロなのですが、とてもきれいに印刷されています。
 興味深い内容本であり、また、ていねいに作られた本であり、お薦めできる良書と思います。

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