Harris' Shock and Vibration Handbook (Mcgraw-Hill Handbooks) の感想

振動工学の実践的な内容について、包括的にカバーした名著です。
内容が多岐にわたるため、非常に分厚くなっていますが、これだけの内容をまとめた本はなかなか手に入らないモノです。
とくにランダム振動に関する最大予測値の見積もり方法などはあまり文献にないので良いと思います。ただPSDモーメントなどの説明がないので、少し背景がわかりにくいかもしれません。
衝撃の部分は実践的な内容で、大砲、火工品などの設計や評価で十分な内容を含みます。
もう少し補ってほしい分野として、音響振動に関する説明、防衛艦船の耐衝撃設計に関する基準の説明、最尤度分析によるピーク検出、疲労の部分の今日的な話題の取り込み、ウェーブレットの活用事例などがあります。
いずれにせよ、振動や衝撃を問題にする分野では、必ず役立つでしょう。