ギリシア語のかたち の感想

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参照データ

タイトルギリシア語のかたち
発売日販売日未定
製作者村田 奈々子
販売元白水社
JANコード9784560006399
カテゴリ » ジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 » ギリシア語

購入者の感想

現在、ヨーロッパの政治・経済面ではEUの問題児と言われている現代ギリシア。しかし、語学愛好者には政治経済の動向は余り関係がない。

図書館で手に取った本書が存外面白かったので、自分の書棚に収めるため購入した。古典ギリシア語に比較して、現代ギリシア語は如何にも人気がないようで、CD未開封でも古書が格安で市場に出ている。(新版はCDレスの代わりに、インターネットから音声ダウンロード可能に変わった)

複数の欧州語を齧っていても、文字は殆どラテンアルファベットとキリル文字(Cyrillic alphabet)で間に合うが、異端がこのギリシア語である。

ところが、このギリシア文字、よく見るとどこかで見たことがないか。そう、一部はラテンアルファベット、一部はキリル文字に似ている。それもそのはず、ラテン文字もキリル文字も生い立ちがギリシア文字を参考にしているのだ。

本書は現代ギリシア語入門書・文法書ではなく、単に現代ギリシア文字の読み方の本である(勘違いのレビュアーが、いらっしゃるようだ)。

本書によれば、現代ギリシア語はβの音価が古典ギリシア語のbからvに転換しているという。 スペイン語を勉強していたとき、vとbを区別しないと読んだ覚えがあるから、欧州語でも音韻の混乱が生じ易いのだろう。(とすれば、日本人が英語学習で必死にvとbの発音を区別しようと涙ぐましい努力をしているのは、やや滑稽なことかも知れない)

ギリシアを観光で(仕事なら尚更のこと)訪れようとする人は、読み方が分かれば固有名詞は勿論、語彙は他の欧州語とかなり共通しているので、看板や表示がかなり理解できるはずだ。 その限りでは、この本は語学愛好者だけでなく旅行者の実用書としても悪くない。

添付のシングルCDは、現代ギリシア語の雰囲気(語感)を知るためだけのものであるし、またそれで十分だと言える。

【余談】
ラテンアルファベットとギリシア文字の比較で、著者は「英語と比べて」を頻繁に使うが、独・仏・英(力点はこの順)を併習している私には、「英語」が煩い。「ラテン文字」でいいのではないか。

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